この絵が、壁に貼られていました。
丸い赤に目をうばわれ眺めています。
ポスターのような感じもして、
いつもの色鉛筆画とは随分違う。
色合いも独特で、いつもと違う。
新手のヒトグラムのような雰囲気。
オリンピックに影響を受けて描いたのか?と思い、
「この絵は、昨日描いたの?」と聞いてみた。
武内曰く、「いや、2年ぐらい前じゃないかな。」と。
「そんな以前の作品だったの?」
「そして、今、急に取り出してきて貼ったの?」
それには、答えてくれない。
ふ~んと、思いながら、見ていると、
お辞儀をしている人のように思えてきたから不思議。
ピンクの輪は、エネルギーのようにも感じられる。
形を追求するのは、武内の絵の特徴なのですが、
くっきりとした形が特に印象的。
東京オリンピックで夜空に浮かぶ、
ピトグラムの形をいいなぁ~と見ていたので、
ピトグラムのように感じてしまった私がいます。
そんなヒロクニさんは、テレビで東京オリンピックの開会式を見ていました。
「始まるまでは、色々あったようだけど、
始まってみると、やっぱり成功した方がいいよね。」と言う。
ヒロクニさんて、意外と素直なところがあると思い、感心した。
確かに、そうだ。
「いろんな国があるのだねぇ~。」とも言い、感心して見ているよう。
また、
「オリンピックというのは、クーベルダン男爵という人がいてねぇ~。」と。
えっ、クーベルダン男爵って何?と思い、
聞いたことのないクーベルダンという単語を頭の中で反芻した。
響きがドイツ語のような雰囲気。
続けて、「クーベルダン男爵というのは、今のオリンピックの創立者でね。」と言う。
クーベルダン男爵は、フランス人だった。
ここで、ヒロクニさんのことを「隠れインテリ」と言う呼ぶ人がいることを思いだす。
映画好きなマスターがいる店で、そう呼ばれていました。
意外なことを知っていて、物知りなのです。
店で、ふざけていたり、変な冗談を言っていたりするので、
しょうがないオッサン(今は、爺さん)という扱いを受けているが、
意外な博識ぶりを発揮すると、「隠れインテリだ。」と、いう反応になるらしい。
「クーベルダン男爵」は、古代オリンピックを復興させ、近代オリンピックの基礎を築いた人で、
教育に重きを置き、五輪のマークをデザインした人でした。
古代オリンピックは、元々は神々の神託を受けて開催されるようになったもの。
確か、アポロン神の神託で、ゼウス神に捧げるための競技と記憶している。
その間は、戦争をしていても休戦しなければならないという決まりになっている。
古代オリンピックは、紀元前8世紀から紀元後4世紀の間、行なわれていたというから驚き。
それを、今現在にもしていることを思うと不思議であり、
今、私達人類がオリンピックをしているという事実は凄い。
この話もヒロクニさんにすると、
「ほんとォゥ♪。」と、語尾を上げて、聞いてくれています。
その態度は、気に食わないのですがね・・・・。
また、続けて、「ギリシャやローマの頃は、全裸で競技していて、
オリーブ油を身体に塗って、その上からすべらないように粉をかけて競技にのぞむ。
天候も炎天下で行なわれるようで、観客も大変だったらしい。
ただ、観戦出来るのは男性と既婚の女性だけという規制があった。
ギリシャ、ローマはキリスト教ではないので、
男色の為に好きな男性を見つける格好の場所だったというのも凄い。
一般人も無料で見れるが、遠いところから歩いて行くのは、大変だったようだよ。」と。
こういうことを、マッサージしながら、語りかけていましたが、
すっかり寝ていたヒロクニさんでした。
ゆすって起してやった。
「すまん。すまん。」と言って、「あっちで寝てくる。」と去っていった。
マッサージしている時は、だまってやっていると退屈なので、
ヒロクニさんに教訓とか、自分が思っていることや、自分の中で感心のあることを
ひたすら話しながら、マッサージをします。
長いマッサージに望むときの秘訣はこれ!
ねちねちした妻を演じます。
夜空に浮かぶ球体のドローンも美しかった。
ヒロクニさんはテレビで。
わたしはネットでオリンピックを見ています。
↑遺跡より発掘されている壺。
古代のオリンピックの様子が壺に描かれています。
この赤茶と黒のコントラストが美しい。
これは、短距離走の絵でしょうね。
モダンな感じがしてセンスがいい。
文化的にも目を見張るものがある。
そんな私達2人の横にいる我家のピピ。
↑鼻を押さえても嫌がらず、されるがまま。
暑いのか、よく伸びて寝ています。
↑角度を変えて。
ずーとこの状態は嫌じゃないようで、このままで居てくれます。
部屋の温度が高くなると、ヒロクニさんのアトリエのどこかへ巣篭ってしまい、
姿が見えなくなる。
そして、クーラーをかけると、わたしの部屋へやってきて寝たり、
刺繍のじゃまをしたり、わたしの身体を登ったり降りたりとせわしい。
↑もう、寝る体勢に入っていくピピ。
夏は、よく寝ます。
コガネムシが網戸の隙間から入ってきて、照明の笠にカツンという当たる音や、
頭のまわりで唸られ、頭にくっつくと、
「ああ、嫌だ~。」と、汗が出る。
我家の夏の風物詩なのです。
ヒロクニさんは、「こいつら、けっこうしぶといから。」と言い、
捕まえては、外のコンクリートに投げつけています。
「こいつら死んだフリしていていやがる。」
「俺、こいつらが起き上がって飛んでいく瞬間見た時、驚愕したわ。」と、
言いながら家に入ってきたりする。
話題は、コガネムシに集中する我家の夏。
ピピちゃんも歩いているコガネムシにフックをしかけて遊んでいます。
もう少し、クーラーを入れる時間を長くして欲しい。
夜になったら、コガネムシが大活躍よ・・・・。
また、ヒロクニさんは、寝ながら壁にとまっている蝉を見つめているそうです。
「俺、蝉と一緒に寝るのは始めてだよォ。」と、報告してくれます。