火からおろして、机に土鍋ごと置きました。
牛筋肉は、国産の牛肉を沸騰したお湯で煮てから、串に刺しました。
二人の間のことなので、焼き鳥に使った串をきれいにとっておいたので、それで作りました。
いつもは、串にさしてあるオーストラリア産を買いますが、
中国産の牛筋肉しかなかったので、自分で作ることにしたのです。
主婦としては、中国産の物は現在ボイコット。お金を使って身体に悪いものを食べては意味がありません。
食べるということは、とても大切なことだと思っています。心、精神にも影響すると思っています。
おでんの具は、無添加のものを選んでいますが、多少、添加物のようなものは入っているでしょうが、そこまでの手作りは、追いもとめません。そこまですると、家庭料理が本末転倒の作業になってしまいます。
我が家は、ヒロクニさんの個展が終わり、二人とも肩の力が抜けて、ちょと気楽に過ごしています。
急に寒くなってきたのか「おでん」「おでん」「おでんが食べたい」とヒロクニさんが言うので、二人でスーパーにブラブラと買い物に行ったりして、荷物を二人で分けて持ったりして、爺さんとおばさんのカップル。
ヒロクニさんは、買い物なのに、群青色のジャケットを買ったせいか、ジーンズに革靴、帽子と決めている。わたしは、家着の上に葉織物を着て、そのままお出かけ。なんか、ボロいと思いながら、「気取らなくてもいいだろう」と変に納得する。
近所の川べりを歩きながら、ヒロクニさんの服装をまじまじと見る。ジャケットだけが、新品だ。
「ヒロクニさんも、服買ってないね。靴も、Tシャツも、シャツも、全部貰い物じゃない?」などと、言う。
「本当だね、これは皆からの愛情だね。感謝してる」。と言う。
「わたしも、貰ったものでかなり出来ているよ」。
「フムフム」。
「やっぱり、ありがたいね」。
貰った人の顔を浮かべ、
「気持ちが嬉しい・・・」とヒロクニさんは感傷的になった。
気持ちにゆとりがあると、自然に感謝の気持ちが二人の間で、いっぱいになるのでした。
おでんは、「うまい」と言ってました。この状況で、まずいものができるはずないと思いません?