梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之京都日記・2

2005年11月28日 | 芝居
本日、私は『五斗三番叟』の<総ざらい>と、『京人形』の<附総>、師匠は『五斗三番叟』と『本朝二十四孝』の<総ざらい>、『口上』の<舞台稽古>、『引窓』の<附総>でした。
『京人形』でも立ち回りに出演します。音羽屋(菊五郎)さんの左甚五郎と、大工(に化けた捕り手)が、大工道具を使ってみせる面白い立ち回りです。平成十三年十月、名古屋の御園座で、やはり音羽屋さんの時に出させて頂いて以来です。こちらは常磐津節の曲に合わせての<所作ダテ>で、お三味線をよく聞かないと勤まりません。といって動きが踊りになってはいけませんで、あくまで“芝居”で動いてゆくことが肝心です。そのあたりの兼ね合いが難しいですね。始まる前に立ち回り部分だけ<抜き稽古>をしてから臨みましたが、ちょっと今日は焦り気味になってしまいました。反省です。

今日はお稽古が八時に終わりまして、それから高台寺の夜間特別拝観に行ってきました。南座からは歩いても十五分くらいです。大勢の人出でしたが、素晴らしい景色を観ることができました。境内に大きな池があるのですが、この池を取り囲むように紅葉が植えられておりまして、この紅葉がライトアップされ、池の水面にそれは美しく映っているのです。水面はまるで鏡のように地上の景色を反転させており、なんだか地底へと続く無限の空間のように見えるんです。幻想的、神秘的な光景にしばしみとれてしまいました。
いつのまにか時間が経ってしまい、晩ご飯を食べようとお店を探しても、遅い時間なのでなかなか見つからず(自炊は初日が開いてからにしようと思っておりますので)、コンビニ飯を覚悟したところで偶然見つけた『LA MASA』。おいしいスペイン料理を味わうことができました。松葉ガニサラダも、海鮮パエリアも、和牛グリルも、みんな素材が新鮮。お店の雰囲気も親しみやすく、また行こうかなと思っております。

さあ明日は<舞台稽古>です。立ち回り、トンボ、どれもうまく行きますように!