梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

京都での生活は

2005年11月17日 | 芝居
すっかり冬の陽気になってしまいましたね。皆様、お風邪を召されていらっしゃいませんか?
私は、おかげさまでいたって健康です。先日のインフルエンザの予防接種の直後は、身体が抗体を一生懸命作ってくれていたのか、少しふらつきやだるさを覚えましたものの、一昨日からはそれもなくなり、少々筋肉痛のほかは、珍しく元気な十一月をおくっております。
さて、歌舞伎座の顔見世大歌舞伎も残り一週間あまり。今度は京都の顔見世が近づいてまいりました。京都の顔見世は、例年十一月三十日が初日になっておりますから、今月中に二回も<初日>を迎えることになります。
今夏の<中央コース巡業>では、毎日毎日違う公演地、宿泊地でございましたが、来月はひと月間の京都滞在。どっしりと腰を据えて、旅の空の下での生活が始まります。
ひと月間の地方公演の場合でも、ホテル暮らしになるのが基本です。幹部俳優さんでも、我々名題下でも同じです。劇場周辺のホテルに分散して滞在するわけですが、希望すれば、旅館を選択することもできます。どちらにしても宿泊費は製作劇場側が持つことになっておりますが、最近ではそういう宿泊施設を使わずに、マンスリーマンションを利用する方も、増えてきました。
といって、個人の勝手で決めてよいものではございません。公演中の庶務一切をとりしきる<頭取>さんを通じて、出演する劇場、製作である(株)松竹の担当の方に、マンスリーマンションを使いたい旨をきちんと申請し、その上で、一切の責任を自分で負って、不動産会社を調べ、物件を探し、契約まで行わなくてはなりません。
契約料、賃貸料については、本来ホテルにひと月宿泊した場合にかかる費用(一日あたりの宿泊費×宿泊日数)が、ホテルを使用しない代わりに支給されますので、そこから支払うことになるのです。
かくいう私も、今度の京都ではマンスリーマンションを使用します。掃除を自分でしなくてはなりませんが、キッチンがあるので料理ができ、食費の節約にもなり外食による栄養の偏りも防げますので大助かりです。また洗濯機もありますから、わざわざコインランドリーを探すこともありません。その他の家具や生活用品も、だいたいはそろっておりますし、自分の家のように気楽に過ごせますから、それほど不便は感じません。

ホテルにしても、マンスリーマンションにしても、ひと月の生活を快適に過ごすにはいろいろ工夫が必要です。ビデオデッキやDVDプレイヤーを持参してテレビにつないだり、加湿器を入れたり、マイ枕を持ってきたり。着替えの収納、洗い物の干し場作りには、誰もが悩まされるものです。
来月は、はたしてどんな毎日になるでしょうか?