はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

八高山と大垂滝の氷瀑-Ⅱ

2015-02-06 11:35:25 | 低山歩き
歩行記録                                                    2015-2-2(月)
歩行時間:5時間15分   休憩時間:1時間05分   延時間:6時間20分
出発時間:8時15分     到着時間:14時35分
歩  数:20、203歩(推定15km)   GPS距離:14.0km
行程表
 福用駅 1:10> 小文堂分岐 0:15> 馬王平 0:25> 反射板 0:20> 白光神社 0:05> 八高山 0:50> 風倒峠下 0:30>
 大垂滝  0:35> 馬王平 0:15> 小文堂分岐  0:50> 福用駅

                             八高山と大垂滝の氷瀑-Ⅱ
           
          気持ちの良い尾根道                        見落としやすい分岐
 前回は八高山の山頂から東に下る急降下的道を大垂滝に向かって下ったが、今日は北に延びる尾根道を下って風倒峠に
向かう。その尾根道は道を少し左に入れば富士山や南アや川根の町全体も見える気持ちの良い尾根道だった。
八高山の道は面白味の少ない急坂が多いが、白光神社からこの辺りにかけての道は、春にはサラサドウダンも咲くし一番
雰囲気がいい感じの道です。。
 気分良く鞍部まで下り、調子よく登り始めると、右に黒いタイヤの様な物が木に打付けてあるのに気が付いた。ナンダ?
文字は見えないのか、書いてないのか分からないが、何かの目印に違いない。と後ろを振り返ると朽ちかけた杭に 「家山 
八高山」
の古い標識が立っていた。危ない、危ない見落とすところだったが、ここは右折しなければ。

           
                 天狗の座敷付近の分岐                         ヒメシャラの根
 間違いそうになった分岐から一気に登り着いたピークが  「天狗の座敷」。ここを右に行けば昨年歩いた掛川泉集落への道で、
直進すれば風倒峠だが、イヤダナー! その方向は木で塞がれている。この先は危険と云う事なのか、それともたまたま木が
倒れただけなのか。木の根もとを見れば倒木のように思えるが、それ以外の木の枝も置かれ道を塞いでいるようにも見える。
まだここなら八高山まで戻り、急な斜面を下って大垂滝に行く事は出来るが。さてどうしよう。
 昨年歩いた時は風倒峠から天狗の座敷までで危険そうな所は無かった。ただ一部斜面をトラバスする所がガレ状だったが
あそこはピークの巻道だったので、通れなければ尾根道を歩けばよい。外に危険そうな所は無い。と決断して直進した。

 よくこんな道を登ったものだと感心するような急な下りの道が続く。途中にヒメシャラの根が剥き出しになっていたが、根っ子も
幹肌と同じように赤くツルツルしていた。

 
              女小天狗の峰分岐                       踏み跡が薄いトラバス状の道
 天狗の座敷から15分ほどで 「女小天狗の峰」 への分岐に到着。この辺りの峰の名は、やたらと 「天狗」 が付いていて分かり
にくいし意味も不明だ。昔、猿の事を天狗と呼んだのか、それとも馬王平の僧たちが、女性の事を天狗と称し、この辺りに住まわ
せていたのか。そんな事はないよな。

 そんな冗談よりここまでの道は異常なかったが、ここで尾根の峰越えの道と林の中をトラバスする道とが分岐している。
当然峰越えの道はアップダウンがあり距離も長い、その点、林を横断する道は緩い下りで距離も短いが途中にガレ場がある。
心は決まっていて、当然楽な林をトラバスする道を選んだ。
ガレ状の場所は昨年あるいた時と変わっておらず、途中の倒木もそのままだった。ただ踏み跡が薄くなってきた感じがするので
この状態が続くと道が分からなくなる恐れがある。人気のある八高山の往復だけでなく、大垂滝を含んだ周回ルート皆が歩いて
くれれば良いのだが。
女小天狗の峰から20分程で林道に合流。林道に出た場所は風倒峠へ2・3分下の所だが、今日は峠に行く気もなく、そのまま
大垂滝に向かった。

          
                2本目の沢のつらら                2ホン目の沢の状態
 サァー! 滝の状態はどうだろう。今回の表題を 「大垂滝の氷瀑」 と名付けたいが可能だろうか? せめて 「薄氷の大垂滝」
にはしたいが、それすら無理で、ただの 「大垂滝」 になってしまうのだろうか。期待と不安を抱いて林道を下って行った。
 沢の音が聞こえてきて林道に水溜りが出来ていた。だが水溜りの水は凍っていず水のままだ。沢の水は勢いよく流れていて、
これでは凍る筈もない。だが水しぶきが掛かっている所にも氷は見えない。ガク!
 
林道は下り坂なので標高は下がってきているので、これから先で凍る可能性は少ない。頭にはただの 「大垂滝」 が頭をよぎる。
 2本目の沢の音が聞こえてきた。水溜りは無かったが岩肌に染みた水がつららを作っていた。オッこれなら。
でも沢本体は薄い透明な氷が張っていただけだった。ウーン 「薄氷の大垂滝」 かな―。
林道を歩き出してから日影ばかりだったが、2本目の沢の前は陽がしていた。当初は氷瀑を見ながら昼飯を食べる予定だったが
体が大分冷えてきている。このまま大垂滝に行っても氷瀑は望めそうもないと日溜りの林道で昼飯にした。

 
                大垂滝1                                  大垂滝2
               大垂滝の地図
 下りが続く林道を歩いていると悲観的な気持ちが湧いてくる。標高が下がるのだから滝が凍っている可能性は低くなるのは
当り前で、矢張り表題は 「大垂滝」 だけになってしまうのか。でも標高が一番高かった最初の滝は凍っていなかったが、そこ
より標高が低い2番目の滝は薄氷が張っていた。ならそれより低い大垂滝は氷瀑になっているかも・・・・・・・・・・・

 前方に大垂橋の白いガードレールが見えてきた。その橋の上にも何やら白い物が見える。雪?馬鹿な。雪であるわけがない。
それなら氷か! 小走りになって橋に近づいてしまった。

 
                大垂滝3                                  つらら
 滝には今も水が流れているので、もっと気温が下がれば更に氷の量は増すだろう。そうなれば今の 「静岡県民風氷瀑」
自他共に認められる 「氷瀑」 になる可能性もある。そうなったら再度訪れてみたいな。

 ここの気温は5℃で山頂より1度高いが、日影のせいか体感温度を下がっていて寒いくらいだ。さっきは林道の水溜りは水の
ままだったが、ここでは凍っていてストックで突いても割れない。水の表面だけ凍っているのではなく水全体が凍っているようだ。
何故同じような場所でこれだけの違いが出るのだろう? 気温だってそんなに違いはしない。地温?それも無いな地温が高けれ
ば気温も上がるだろうし・・・・・・・ 私の頭では理解できなかった。

  
             林道に車とリボンが                                三椏の蕾
 前回八高山山頂から急降下して出た林道から滝までは、5分もかからなかったと記憶している。次回滝を見に来る時は馬王平
から直接滝に向かい、そこから山頂に直登するのも面白そうだ。と思い、直登する入口を探しながら歩いたが見つからなかった。
それが滝から30分も歩いた所に軽トラが2台と乗用車が2台停まっていた。その内1台は足立ナンバーだ。
そして山側の斜面には踏み跡やリボン。更には杉の木に白いペンキの目印も付いている。間違いなく登山口だ。
だが八高山山頂の道ではない事は確かだ(家に帰り当時の記録と写真で確認した)。では何処に行く道なのだろう? 
そうだ今日反射板の近くに作業員が3人いたが、その人たちの車ではないか。でも3人なのに車が4台??
結局正解は分からないが、場所から云って反射板への道が一番濃厚と思われる。そうなると車で来る作業員には近道だが、
歩きのハイカーには特段有利な道ではないと思うと、急に興味はなくなった。

 道端の三椏に固い蕾が付いていた。1週間前にはびく石の上大沢で、もっと膨らんだ三椏の蕾を見たが、標高の高いここに
も春がきはじめている。嬉しいけどそうなると氷瀑は来年までのお預けか。それも寂しいなー。

 
                     小文堂分岐
                  小文堂分岐の地図
 馬王平まで戻り、さてこれから先どの道を歩こう。
先ず①林道を掛川黒股に下るコースは林道が調べてきていないので却下。
②経塚山・神尾山経由で大鉄の神尾駅に下るコース。これが一番魅力的だがどうやらコースが不鮮明らしい。となると時間が
かかるので、電車で来ている今日は時間的余裕が無いので却下。
そうなると後は朝登った道を下るか、ゆるかな道と道標にあった左への分岐の道、それと右に分岐する当り前の道しか残って
いない。それなら行った先の雰囲気で決めよう。

 結局最初にあった小文堂分岐で右に折れる事にした。林の中を横断する道が終わると電光形になった道になったが、これが
駅の案内板に書いてあった 「七曲り」 なのだろう。一辺の長さが短いので余りどうと言った感じはないが、朝登った道ほどでは
ないが傾斜はきつかった。

 国道に出たのは2時30分。電車の時間は3時23分なので、まだ1時間近くある。それなら次の神尾駅まで歩こうと思い国道を
福用駅とは逆に右折して歩き出した。どうせ田舎の鉄道だから30分も歩けば次の駅に着くだろうと考えて。
タイミングよく前方に人がいた。早速次の神尾駅までの道を確認すると思いがけない返事が返ってきた。
「神尾駅に行くにはあの山の上の地蔵峠に登って、そこから大井川の方にあるの方に行ってから、また駅まで戻らなければ
ならない。」 
と言った。指さす方を見れば確かにあそこまでで2・30分は掛かりそうだ。
「どのくらい時間はかかりますか?」 「そうだネェ 1時間は掛かるじゃないかな」 だって。
勿論慌てて回れ右して福用駅に引返しました。

 こんな田舎にはコンビニは無いし酒屋も無いだろう。今日は乾杯が出来ないなと諦めると、さっき道を聞いた人がいた。
「さっきは有り難うございました。この辺にビールを売っている店は無いでしょねー」 と駄目元で聞いてみた。
「エーッ なに言ってんのそこにあるじゃない」 と私の横にある自動販売機を指さす。そこにはビールに交じって氷結もあった。
しかもコンビニより安い150円で。まさに捨てる神もあれば拾う神もありだ。