迷走していた「たんなさん」のつぶやき

※個人の感想です・・・

ビット・トレーダー/樹林伸

2008年08月29日 | 
ある程度の株の知識を持っている人(信用取引の仕組みがわかる程度)であれば、面白く読めると思います。
実在の企業や話をストーリーのなかにちりばめて、リアリティーを増しています。
結末の収束の仕方がちょっとあっさりとしすぎているので、物足りなさを感じてしまうところもありますが、そこに至るまでのストーリーがよくできています。
株をやったことがある方であれば間違いなく、お薦めできる作品です。
出版社 / 著者からの内容紹介
『金田一少年の事件簿』『探偵学園Q』『クニミツの政』『サイコメトラー
EIJI』『神の雫』などメガヒット連発!漫画界伝説の原作者そして『HERO』(ド
ラマ・映画)の企画原案者が、小説界に激震必至の殴り込み!!!
お金って、いったいなんですか?
4年前の電車事故で最愛の息子を失った男。
その慰謝料をやけくそで株に突っこみ大当たりした日から、二重生活は始まっ
た。
表の顔は外車のやり手ディーラー、裏の顔はネット株に燃えるトレーダー。
日々、大金を儲けながらも、心は絶望の淵をさまよっていた。
妻とのすれ違い、娘との不和。
そしてついには株の世界でも悪夢が始まる……。
人生も株も「底」を打ったらあとは上がるだけ。
家族の絆を取り戻すため、自らの人生すべてを賭けた大勝負が始まる!

出版社からのコメント
「現実の世界と見紛うほどのリアリティとスピード感。金銭に翻弄される虚し
さ、失われつつある家族の絆、そして回りだした運命の歯車。人間という生き物
の業が、「株式市場」を通じて見事に描き出されている。」松井道夫(松井証券
株式会社 代表取締役社長)
「心が乾いた奴らを動かすのはドライな株式市場だ。株価の急落、急騰にあわせ
て、ジェットコースターのように物語は展開する。読み始めたら、途中下車は不
可能だ。ラストではきっちりと「人間っていいな」と思わせるところが、また憎
い。手に汗握る一級のビジネス・クライム・ノベル(経済犯罪小説)が誕生し
た!」江上剛(作家)
「お金では得ることができない、一人の人間として大切なもの、かけがえのない
ものを感じさせてくれる作品です。運命に翻弄されながらも絆を取り戻そうとす
る家族の姿を、私はずっと忘れないと思います。」伊東美咲(女優)

矢部恭一は4年前の電車事故で最愛の息子を失っている。その慰謝料をやけくそ
で株に突っ
込み大当たりした日から、二重生活は始まった。彼の表の顔は外車のやり手
ディーラー、裏の
顔はネット株に燃えるトレーダー。ある夏の夜、恭一は上場企業の社長を名乗る
男から、自
社の倒産情報と空売りを利用した裏取引を持ちかけられた。妻とのすれ違い、娘
との不和
に焦燥の日々を送る恭一は、迷いながらもその誘いに乗る。悪夢が始まるとは知
らずに……。

★★★★☆(星4つ)