すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

憑き物が落ちる・・・とは。

2024-06-27 12:00:04 | ひとりごと
 先日あわてんぼうさんの姉たちと怪我をしたおじさんを見舞った時に話である。話の途中おじさんが、
 「〇〇ちゃん(お隣の親戚の姉ちゃん)、明後日けんみさん(賢見神社)行くけん、朝タクシー雇うてくれるか。」
と言った。
 賢見神社とは、犬神様で有名な神社であり、私もキヨちゃんと2度だったか、くりりんと結婚してから3人でも参拝したことがある神社である。結構な山の中にある神社なので、山道に慣れている者でないと不安に思うかもしれない場所である。
 
     

 本殿の手前まで車が行くが、途中から進入禁止で、というよりそもそもこの道は正式な駐車場ではないのだが、そこからは結構な距離を歩く必要がある。ただ、その日調べたり人に聞いたりするまで私は知らなかったのだが、正式な駐車場が違うルートにあり、そこはかなりの急こう配だが山に慣れた者なら大丈夫な道で、本殿のすぐそばまで行けるという事だった。
 さてそんな場所ではあるが、ろっ骨を骨折していて、肺が悪くて酸素が必要で、歩く時に杖が必要な状態のおじさんが、タクシーで一人で参拝????そして何故今?怪我しているし、梅雨だし・・・。
 「いや、おっちゃん、タクシー下りてからは一人で歩くんでよ?」
 「おお、30分かけたら歩けろう・・・。」
・・・えええ!無茶な。
 「それは心配じゃよ。私連れて行くわ。歩くにしてももし途中でしんどうなったら一人だったらどうも出来んし。」
そう提案すると、おばさん(奥さん)も、
 「この人は言い出したら聞かんのよ。でも、こう言うてくれるんじゃけん、甘えたらは。」
と言ってくれ、私が連れていくことになった。
 家に帰ってから調べて、正式な駐車場ならほとんど歩く距離では無いと分かり、かなりな急こう配とか道幅が狭いとの情報に、念のために電話して問い合わせてみた。
 「いえ、4トントラックが入るくらいだから大丈夫ですが、ただ今工事中でその日によっては通行止めなんです。」
と言われる。そうなると歩くしかない。
 「参ったわ。話題にしてくれなんだら知らん話やったし、一人で行ってたらと思うたら怖いわ。聞いた以上放っておけんし。」
その晩帰ってきたくりりんに話すと、
 「すず、それ確信犯ちゃうか?今話題にしたらすずは絶対連れて行くって思うてるで。」
と言われる。・・・・あ、あるかも??
 まあ、そんな流れではあったが、今朝早くに迎えに行っておじさんと二人祈祷してもらいに行ってきた。
 行く道道、おじさんは苦しい胸の内をぽつぽつ話してくれた。実はおばさんは会っても普通の状態だが、実は結構認知症が進んでおり、でも自覚がなく、おじさんとの衝突も増えている。度々県外の娘さんが戻ってはくれるが、基本二人暮らしなのでお互いのストレスがあり、体調が悪かったりこんな風に怪我をして痛みがあると、辛抱出来ずに喧嘩してしまうのだと言う。だから、息の車の中ではおばさんや家族への不満が続いた。
 着いてみると工事中、進入禁止の案内はあるが、入り口は封鎖していなかった。ただ時間が早かったので、これから工事に入るとしたら困るので、結局路駐から歩くことに。なるべく近くまで車で行って、そこからは歩いたのだが、高齢者やけが人病人には遠い道のりだ。
 *車を止めた場所から矢印の辺りまで歩く。

     

 2回ほど足を止めて息を整える状態だったが、休憩もせず何とかおじさんは10分程度で社務所までたどり着いた。幸い心配した雨も行き帰りの間止んでくれていた。
 参拝するまで、何で今?と思っていた私だったが、おじさんが宮司さんに話をするのを聞いて、本当に辛いのだろうなと実感して涙が出そうになった。おじさんの中では、他人に話したら恥ずかしいし笑われる、家族に話してもらちが明かないと思っていて、神様や宮司さんなら恥ずかしい話も全部丸ごと受け止めてくれる、ちょうど教会の懺悔の部屋のように、胸の中のつかえを吐き出したかったのだと分かった。
 話を聞いて祝詞を揚げてもらい、お札を貰って帰る道道、
 「帯状疱疹で何年の痛みがあったのに楽になった。」
と嬉しそうに話した。そして、
 「夜も何回もお母さん(妻)が起きて大丈夫かって声かけてくれて、1時間おきくらいに薬も塗ってくれる。」
と愚痴から感謝の言葉に変わっていた。
 憑き物が落ちるって、もしかしたらこう言うことかもしれないと思った。
 キヨちゃんとくりりんにもお守りを買って、手水場のお水を水筒にいただいてきたので、帰りに半分おばさんにもあげてきた。やはり一緒に行ってきて良かった。

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2 コメント

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Unknown (ふくだ)
2024-06-27 16:34:19
それはすずしろさんの優しさを狙ってましたね、間違いなく(笑)。
すずしろさんに感謝感謝ですね。
返信する
ふくだ様 (すずしろ)
2024-06-28 20:06:18
やっぱりそうですかね?(笑)。
まあ頼りにされるのも悪くないですし、お互い様ですからね。
返信する

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