すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

キヨちゃんのなが~い一日

2012-08-26 21:19:45 | うちのキヨちゃん
 今日は朝早くからキヨちゃんは彼を向かえる準備をしていた。私は結局24時間テレビの力を借りることなく、何とか眠る事ができたが、真夜中の1時半に幼馴染からメール。
 「寝てる?起きてたら、あそぼ・・・なんてね。」
断っておくが、普段こんな時間にメールしたりする子ではないので、何かあったのではと心配になった。
 「今のメールで目覚めた。大丈夫?」
 結局大丈夫だから寝てという返事だったが、心配でしばらく眠れず。そして、いや~な夢を見てうなされて起きた。ただのよっぱらいメールだったら、今度怒ってやる。
 いつもより少し念入りに掃除し、キヨちゃんは御寿司作りなどをしていた。彼は12時半頃に駅に着く予定だったので、早めに行って買い物して彼を13時には家に迎える段取りだった。
 彼を向かえる前に買い物をする段取りで、キヨちゃんから買い物の内容を聞いた。
 「いんげん、さしみ、吸い物用のさかな・・・・(中略)パンツ、肌着。」
???
 「何で下着?」
 「遠いところから疲れてくるのに、シャワーくらい浴びてもらわな。」
と言う。まあ、彼が初めての家でシャワーを浴びたいかどうかはともかく、言われるとおりにした。
 そこに親友ナースからメール。今日彼が来るので差し入れをしたいと言う。そしてほどなくケーキを持ってきてくれた。(後からこれはみんなで美味しくいただいた)



 時間がまだあったので、親友ナースと彼の話をしていたら、親戚のおばちゃんから電話。実は彼と初めて会うキヨちゃんが、心細いようなら叔父や叔母に同席してもらっても良いか彼に聞いていたのだ。彼は承諾してくれたが、キヨちゃんが二人に相談すると
 「すずちゃんが決めたのだし、大丈夫よ。」
とキヨちゃんだけで会っても大丈夫と勧められた・・・とキヨちゃんから聞いていた。
 ところが、おばちゃんの電話は
 「今日何時に行けばいいの?」
である。ええええ????何がどうなって?これはまさにキヨちゃんワールドである。
 「母ちゃん、おばちゃん来てくれる言いよるで。」
電話を代わると、何事もないように
 「うん、13時頃。」
と答えるキヨちゃん。何だそのリアクション???
 さらに
 「Kちゃんも来てるんよ(親友ナース)。」
慌てて二人して
 「いやいや、帰る帰る!」
と訂正。親友ナースまで巻き込むなよ。すると親友ナースが
 「おばちゃん、さっき私にお土産に寿司持って帰れって包んでくれよったのに、残ると何故判断?」
と小声で言って笑った。
 それから彼を迎えに行く。余裕で用事を済ましていたが、彼から
 「緊急事態発生。」
のメール。これ、ものすごく「おいしい」ネタなのだが、絶対にブログには書かないでくれと、懇願されたので諦める。しかし、この緊急事態のせいで、しばらく走り回る事となり、まあ、そのお陰もあって親友ナースと偶然彼を会わせること出来た。そんなこんなで、家に着いたのは13時半だった。
 初めてキヨちゃんと、叔父さん叔母さんと彼を引き合わす。三人ともすぐ彼を気に入ってくれた様子だった。時々彼には分からない身内の話やご当地ネタが出るので、彼が浮いたり心細くなるんじゃないかと心配したが、彼は上手に話に参加してくれた。
 それから、父の墓参りとピンクの墓参りに二人で行った。随分前からずっと
 「お父さんの墓参りをしたい。」
と言ってくれていた彼。ようやく実現する事ができた。
 ピンクの家でも8人家族の内、家にいた半分が会ってくれた。奈々ちゃんとは一度駅でニアミスしていたのだが、考えてみればこの歳の二人が一緒にいても「恋愛」と結びつくはずもなく、おばちゃんがおじちゃんといただけのイメージであったろう。
 だから、今回話があって初めて「もしかして?」と思ったらしい。高校生の奈々ちゃんは、指輪にキラキラした目で
 「きれ~。」
と喜んでくれた。
 戻って、しばらくしてキヨちゃんが私の指を観てこう言った。
 「あら?あんた綺麗な指輪しとるなあ。」
?????マジですか?
 「えっと、誕生日に見せたでえ。彼が買ってくれた婚約指輪。」
 「まあ、買うてくれたん。」
・・・。あの時からずっとテンパッたままなのだな・・・。彼にちいさく「ごめん」。
 でも、彼を送るときはまるで子供のようにはしゃいで
 「また来てよ~!」
と手を振っていた。
 こんなに一度に色んな事をさせて、彼が負担になったのではと思ったが、彼は
 「みんなに会えて良かった。」
と言ってくれた。この気持ちがありがたい。
 そして新幹線の中から彼の優しい、暖かいメールが来た。その最後に
 「お父さん、ピンクのお墓参りを出来た喜びで、あれから僕の頭の中ではこの2曲がリフレインを続けています。
 中島みゆき「糸」
 さだまさし「僕にまかせてください」 」
と書かれてあった。
 私は本当に果報者だと思う。しみじみと幸せを噛み締める私にキヨちゃんがこう言った。
 「母ちゃんなあ、彼に遠まわしに聞いてみたんよ。どうやら彼は養子に来てくれるつもりじゃな。」
・・・って、今まで何を聞いていたのだ?そしてどう「遠まわしに」聞いたのだ?さらに
 「来月、お前が向こうのお母さんに会いに行くんだろ?一人で行くん?」
・・・?誰と行くのだ?
 「Iさん夫婦(私達を引き合わせた二人)。」
 「・・・って、何で?」
 「え?仲人さんじゃけん。」
・・・・。頭が痛くなってきた。おいおい、まだまだそんな段階じゃないぞ。
 前途多難・・・かな?????


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コメント (8)
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