私は仕事柄、不規則な生活をしており、家族と一緒に食事をしたり入浴を続けてする日はほとんどない。日によっては近くの温泉に寄ることもあり、また一人家で風呂を沸かす事もある。
ある日「今日は風呂を沸かしておくから」とキヨちゃんが言っていたので、まっすぐ帰宅した。時間的に両親とも寝ているはずなので、私はそっと入浴した。
ところがその日の風呂の湯は、なんだか紅茶のような色なのだ。いつもバス〇〇とか〇〇の湯なんてメーカーの入浴剤なのだから、乳白色であったりブルーであったりグリーンであったりするのだが、この色は初めてだった。入ってみるとほのかに木の香りのような・・・。
そこへ物音を聞きつけたキヨちゃんが風呂場に登場し、今日の出来事を話し始めた。
「今日な、温泉水の店から温泉の素を送ってきたんよ。」
「頼んどったん?」
「いや、頼んどらん。」
頼みもしない物が送られてくるだろうか?そもそもこの店からは父の服薬用に飲み水をとっているのだが、それなら何かのサービスとか感謝セールだろうか。
「サービスなん?」
「いや、請求書入ってる。」
それは大変、何かの間違いかも・・・と考えているとキヨちゃんはこう続けた。
「この前電話があってな、温泉の素いりませんかって言うんよ。それがな、父ちゃんが言うには 『お前、はい、お願いしますって言いよったぞ』って言うんよなあ。」
・・・・それは注文したということではなかろうか?
しかしまあ、事の次第は分かった。さてはこれはその入浴剤か。
「これ、さっそく入れたん?」
そう聞くとキヨちゃんはすまして答える。
「ううん。これはお前が買うとったやつ。」
はて、さっぱり覚えがない。そしてにこやかに彼女が捧げた物を見て、私は飛び上がった。それはわたしのヘナのヘアカラーだったのだ。
翌日、この話に大笑いした会社の同僚に、こんな事を言われた。
「家族みんなアンダー(ヘア)茶髪になってない?」
・・・・・無言。
ある日「今日は風呂を沸かしておくから」とキヨちゃんが言っていたので、まっすぐ帰宅した。時間的に両親とも寝ているはずなので、私はそっと入浴した。
ところがその日の風呂の湯は、なんだか紅茶のような色なのだ。いつもバス〇〇とか〇〇の湯なんてメーカーの入浴剤なのだから、乳白色であったりブルーであったりグリーンであったりするのだが、この色は初めてだった。入ってみるとほのかに木の香りのような・・・。
そこへ物音を聞きつけたキヨちゃんが風呂場に登場し、今日の出来事を話し始めた。
「今日な、温泉水の店から温泉の素を送ってきたんよ。」
「頼んどったん?」
「いや、頼んどらん。」
頼みもしない物が送られてくるだろうか?そもそもこの店からは父の服薬用に飲み水をとっているのだが、それなら何かのサービスとか感謝セールだろうか。
「サービスなん?」
「いや、請求書入ってる。」
それは大変、何かの間違いかも・・・と考えているとキヨちゃんはこう続けた。
「この前電話があってな、温泉の素いりませんかって言うんよ。それがな、父ちゃんが言うには 『お前、はい、お願いしますって言いよったぞ』って言うんよなあ。」
・・・・それは注文したということではなかろうか?
しかしまあ、事の次第は分かった。さてはこれはその入浴剤か。
「これ、さっそく入れたん?」
そう聞くとキヨちゃんはすまして答える。
「ううん。これはお前が買うとったやつ。」
はて、さっぱり覚えがない。そしてにこやかに彼女が捧げた物を見て、私は飛び上がった。それはわたしのヘナのヘアカラーだったのだ。
翌日、この話に大笑いした会社の同僚に、こんな事を言われた。
「家族みんなアンダー(ヘア)茶髪になってない?」
・・・・・無言。