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武者小路実篤記念館(12/8)

2019-12-11 14:00:00 | 賢治関連
 かねがね、賢治の「羅須地人協会」と武者小路実篤の「新しき村」との間には通底しているものがあると直感していたので、今回初めて調布の「武者小路実篤記念館」を訪ねてみた。つつじヶ丘駅から、スマホに案内されてなんとかたどり着いた。
《1 》(平成31年12月8日撮影)

《2 》(平成31年12月8日撮影)

《3 》(平成31年12月8日撮影)

 すると、記念館の前の住宅には沢山の花が咲いていたし、家人がいたので許しを得て写真を撮らせてもらった。
《4 》(平成31年12月8日撮影)

《5 》(平成31年12月8日撮影)

《6 》(平成31年12月8日撮影)

《7 》(平成31年12月8日撮影)

 そして、
《8 「武者小路実篤記念館」へ》(平成31年12月8日撮影)

《9 》(平成31年12月8日撮影)

《10 》(平成31年12月8日撮影)

 今は、秋の特別展「長與善郎と実篤」(12月15日まで)も開催されていた。その中には演劇に関しても展示されていて興味を引いた。私は今まで、「新しき村」ではしばしば劇が上演されていたということを不注意で知らなかったのだが、これで、農村劇を上演しようと思っていた「羅須地人協会」とはやはり少なからず通底いるぞ、と私はちょっぴり確信した。
 それから、あの伊藤勇雄も「新しき村」に来ていたわけだが、同館の学芸員の方にそのことを伺ったならば、ご親切に伊藤の詩が載った『白樺』を探して下さって、その詩も見ることができた。そこで私は、伊藤はたしかにここに来ていたのだと覚った。
 また、同館には金子洋文や小牧近江に関しての資料等も所蔵されていて、あることを納得した。それは、かつての投稿〝4219 賢治独自のものと考えられがちだが〟において、
 武者小路実篤、志賀直哉たちの雑誌『白樺』の創刊は、明治四十三年(一九一〇)である。それはせまくこせこせしていた、わが国の文学運動のからを破って、広い世界的なひろがりの中に中にその自由な生きがいを求めようとするもので、第一次世界大戦前後から大正文学の主流となった。それは個性の解放と人間主義の尊重を主張しながら、一方には武者小路実篤の〝新しき村〟運動、さらには有島武郎の広大な北海道の私有農地の解放という社会的なひろがりを見せるのだが、それと前後して、農民のための文学雑誌『種蒔く人』がはじめて秋田に創刊されたことを見のがしてはならない。
               <『宮沢賢治 修羅に生きる』(青江舜二郎著、講談社新書)97p~>
という青江舜二郎の見方にである。そして、同書で青江は引き続き述べていて、
 私はそうした時代の金子洋文氏を知っているが、やはり黒光りするアルパカの上着が目立つ小学校の代用教員で、地もとの三年制工業学校の卒業生であった。いつもこどもを連れ出しては山野で教え、遊び、しきりに童謡をつくって自分で作曲してはみなに歌わせる。これらは賢治ファンには彼の独自のものと考えられがちだが、決してそうではなく、当時の東北地方には、いたる所にそうした教員が点在していたし、彼らが脚本を書いて教え子たちに劇をやらせることだって、すでに〝新しき村〟の影響で地方の農村に広がっていた。
               <同上>
私はこの記述に改めて納得した。
 そして同時に、私は反省した。それは、かつて私が青江舜二郎の『宮沢賢治』を読んだときにどうも反発したくなるような点が少なからずあったので、その後の私は青江を否定しがちだったのだが、今回の「武者小路実篤記念館」の訪問によって、それは私の過ちであった、と。そして青江の見方からも学ばねばならぬのだと教わった。

 畢竟するに、
 「当時の東北地方には、いたる所にそうした教員が点在して」いて、賢治もそのうちの一人だった。
ということになりそうだ。

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      〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守
               電話 0198-24-9813

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