みちのくの山野草

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「露の下宿~下根子桜」往復は最短でも約4時間

2019-09-11 16:00:00 | 子どもたちに嘘の賢治はもう教えたくない
《ルリソウ》(平成31年5月25日撮影)
〈高瀬露悪女伝説〉は重大な人権問題だ

 ところで、上田哲の件の論文「「宮沢賢治伝」の再検証(二)―〈悪女〉にされた高瀬露―」によれば、高瀬露が羅須地人協会を訪ねていたという期間は大正15年~昭和2年頃だったという<*1>。そこで当時の時刻表を探し廻ったならば、『花巻市立博物館』で「大正15年 花巻温泉電氣鉄道鉛線列車時刻表」を所蔵していたので、それを見せてもらって時刻表を作ってみたならば下表のようになった。
【Fig6 大正15年 花巻温泉電氣鉄道鉛線列車時刻表】

 次に、再掲になるが、
【Fig.4 当時の花巻の地形図】

      <当時の『花巻(五万分の一地形図)』(地理調査所)より抜粋>を基に
と上掲の時刻表を基にして、
    露の下宿~寶閑小学校~露の生家~下根子桜(羅須地人協会)
というルートを、〝鉛線〟を使って「露の下宿」→下根子桜(羅須地人協会)迄行くにはおおよそ何時間かかるかを調べてみよう。

 まずは、この場合の〝鉛線〟の利用区間は「二ッ堰駅~西公園駅」であったとして間違いなかろう。そうすると、
    露の下宿~約1㎞~寶閑小~約3㎞~二ッ堰駅~(鉛線利用)~西公園駅~約1.5㎞~露生家~約1㎞~下根子桜(羅須地人協会)
となるだろう。そして、上掲時刻表によれば、
    二ッ堰駅~約25分~西公園駅
であり、当時は電車以外には基本的には徒歩しかないから、その所要時間は
    露の下宿~約15分~寶閑小~約45分~二ッ堰駅~鉛線約25分~西公園駅~約20分~露生家~約15分~下根子桜(羅須地人協会)
と見積もることが出来る。結局、
    露の下宿→下根子桜(羅須地人協会)までの所要時間は、電車のつなぎが上手くいったとしても約2時間はかかる。
と判断できる。つまり、
    「露の下宿~下根子桜(羅須地人協会)」間を往復するのに最短約でも4時間かかる。
ということがこれで分かった。

<*1:註> 比較的古くから露を知っていて、尾上紫舟賞の受賞者で日本歌人クラブの理事でもあった、遠野在住の歌人菊池映一が、
 「露さんは、「賢治先生をはじめて訪ねたのは、大正十五年の秋頃で昭和二年の夏まで色々お教えをいただきました。その後は、先生のお仕事の妨げになっては、と遠慮するようにしました。」と彼女自身から聞きました。露さんは賢治の名を出すときは必ず先生と敬称を付け、敬愛の心が顔に表われているのが感じられた」
と上田哲に証言したという。〈『七尾論叢 第11号』(七尾短大)81p〉

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