気の向くままに

山、花、人生を讃える

映画『ステップ』を見て

2020年07月24日 | 映画

20日の朝、家内が
「私、今日映画を見に行くけど、一緒に行く?」と聞くので、どんな映画かと聞けば、『ステップ』という題名のこんな映画だという。それで、まあまあ面白そうだし、蒸し暑い1日になりそうなので、映画館で暑さ凌ぎと考えて付き合うことにした。

 

緊急事態が解除されてから、2回映画を見ているが、一度は観客は私以外は1人しかなく、もう1回も5人ほどだった。今回はもう少し入っていたと思うが、それでも10人は超えていなかった。

 

昼食を食べ、家内が勘定をしている間に先にチケット売り場に行くと、その手前でお札が落ちているのが目に入り、近くによると4つ折りにされた1万円札でした。昔、まだ高校生だった頃、いつも小遣いが足りなくてピーピーしていて、「俺にも1度ぐらい目の前に1万円札が落ちてないかなあ」と思ったりしたが、遂にその願いが実現したと一瞬顔がほころんだ。しかし、それは遠い昔のことで、今は孫もいるおじいちゃんだ。いくらポケットにしまい込みたくてもそういうわけにはいかないだろうと熟慮に熟慮を重ね、映画のチケット売り場のお姉さんに訳を話して差し出し、はかなくも一瞬の泡と消え去ることになった。

 

さて、余談はさておいて、「ステップ」という映画だが、奥さんに早く先立たれた男が、まだ幼い娘を育てていく物語だった。この映画の主題は、もし、何年後かに再婚したいと思うような相手があらわれた時、他界したとはいえ、まだ心の中に生きている奥さんを、娘にとってはお母さんを裏切ることにならないか、そしてまた、小学生を卒業する年代の娘にとってはどうかという問題が映画の主題になっていたようだ。

 

女手一つで子供を育てるという話なら比較的物語にもなりやすく、また絵にもなりそうだが、この映画は珍しくシングルファザーと娘の物語で、貴重と言えるかもしれない。男がこの映画を見れば、もし自分がこのように早く女房に先立たれていたらどうなっていただろうかと、そんなことが頭によぎるに違いない。その意味で、見て損はない映画だと思う。

 

そう言えば、昨年の今頃は『今日も嫌がらせ弁当』という映画を見た。こちらはシングルマザーの子育ての奮闘記だったが、これも、普通は男が見るような映画ではないが、見れば勉強になる映画だったのを思い出しました。どんな勉強になるかはどうぞこちらを。映画『今日も嫌がらせ弁当』を見て 

 

前にもどこかで書いた気もするが、多くの人と同じように、以前は洋画のアクション映画が好きで、時代劇以外の日本映画はつまらないと思っていた。しかし、「ジェネラル・ルージュの凱旋」を見てからは、日本映画にもこんな面白いものがあると知り、それからはもっぱら日本映画ばかり見るようになった。それもだんだんにおとなしいドラマ的なものを好むようになり、これも年のせいかなという気がしている。ストーリーの派手さよりも、役者の演技を楽しむようになった、そんな感じである。

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