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気の向くままに

山、花、人生を讃える

国を思う二つの考え

2020年05月30日 | ドラマ

下に紹介するのは、ドラマ『JIN (仁)』の中の、日本をよくするにはどうしたらよいのかということで、現代から幕末へとタイムスリップした医師の南方 仁(みなかたじん)と坂本龍馬が、真剣にやりあったときの会話です。

 

どんな場面でこの会話があったか言うと、
長州藩が、帝(みかど)を奪い政権を奪取しようとして企てた「蛤御門の変」で、京を護る幕府諸藩との戦いに敗れ、京を追われて長州に逃げ帰ります。そしてやがて幕府の長州征伐が始まるという長州藩にとって大ピンチの時、坂本龍馬の奔走によって薩長同盟が成立。そして龍馬が設立した貿易会社を通し、薩摩藩の名目でたくさんの西洋式銃を購入する。その銃が薩摩から長州へと渡る。そして、幕府と長州の戦いが始まり、人数では圧倒する幕府軍が長州藩の新式銃の前に蹴散らされてしまう。

 

そして、今二人の目の前で、傷つき落ちのびて来た幕府軍の兵士が、長州の兵に襲われます。

それを見ながら、そのままその場を立ち去ろうとする坂本龍馬に向かって、南方 仁が言います。

 

南方 仁:龍馬さん、やっぱり変わりましたね。前の龍馬さんなら敵味方なく助けたと思います。でも今は薩摩と長州のことしか考えていない。

 

坂本龍馬:先生、それは違うぜよ。

 

南方 仁:(竜馬の言葉を遮る様に)やってることだって武器商人じゃないですか。人殺しで金稼ぎしているだけじゃないですか。

 

坂本龍馬:先生、ほいじやきー・・・

 

南方 仁:あの人たちだって龍馬さんが売った銃で打たれたのかもしれないんですよ。

      

坂本龍馬:わしゃあ、この国を思うからこそやっとるがじゃあ。何べんも言うけんど、これはどうしても必要なことなんじゃ。

 

南方 仁:戦だけが国をまとめる手段なんですか?そんな方法でまとめるしか能がないなら、政権を執ったってうまく行くはずがない。うまくいかなくなったら、また戦を繰り返すだけなんです。暴力は暴力を生むだけなんです。

      

坂本龍馬:先に殺されたら、それで終(しま)いだがじゃ。わしゃ~、寺田屋で殺されかけ、思うたがじゃ。どんな考え方を持っとったっち、バッサリやられてしもうたら、それでおしまいだがじゃ~。まず相手を力で従わせんと、考えを述べることも出来ん。世を動かすことも出来んがじゃ~。

     

 

南方 仁:戦争をする人はみんなそう云うことを言うんです。

 

坂本龍馬:先生は特別なお人じゃきん、きれいごとばっかし言えるがじゃ~。

 

南方 仁:竜馬さんから見たら、私は特別なのかもしれません。だけども、私だって国をよくしようと思って戦っているつもりです。・・・・私なりに、ですけど。

 

二人の真剣なやり取り、記憶に残る名場面でした。

そしてまた、現代に生きる我々も、個人的な小さなことから、世界的なことまで、常に考えさせられるテーマでもあると思いました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました