ども、砂川です。
比較的ゆっくりできた連休、「高倉健さん追悼」で放送され、録画していた「鉄道員(ぽっぽや)」を見ました。
原作は「壬生義士伝」など、私にとっては時代小説の印象が強い浅田次郎さん。
しかし見終わっての印象は、完全に「高倉健さんありき」の映画でした。
廃線の決まった北の果ての小さな終着駅で、不器用なまでにまっすぐに、鉄道員としての誇りを持って生きてきた「佐藤乙松」の生涯を描いています。
生後数か月で一人娘が亡くなった時も、そしてその数年後に病弱であった妻が亡くなった時も駅に立ち続け、さまざまな困難を乗り越えてきた姿は、高倉健さんでなければ演じられない、とハッキリ思いました。
また、「おとさん」、「せんさん」と呼び合う親友でありながら、正反対の生き方をする小林念持さんが光る演技を見せてくれます。
最期の日を迎える直前、かつて亡くなったはずの娘が目の前に現れ、「ありがとう、お父さん・・・」と呼びかけるシーンは、さすがに涙を誘いますね。
高倉健さんの映画には珍しい、ファンタジー的な展開ですケド、その少女の姿を他の誰も見ていない、というのがミソなんでしょう。
昭和の時代を生き抜いた、愚直なまでに誠実な男、そしてキハの赤い列車と白い雪とのコントラストが見事です。