ども、砂川です。
杉山春さんの「ルポ虐待: 大阪二児置き去り死事件 」を読み終えました。
2010年夏、3歳の女児と1歳9カ月の男児の死体が、大阪市西区のマンションで発見されました。
子どもたちは猛暑の中、服を脱ぎ、重なるようにして死んでいました。
母親は、風俗店のマットヘルス嬢。子どもを放置して男と遊び回り、その様子をSNSで紹介していた・・・。
なぜ幼い二人は命を落とさなければならなかったのか？。それは母親一人の罪なのか？。
事件の経緯を追いかけ、母親の人生をたどることから、幼児虐待のメカニズムを分析。現代の奈落に落ちた母子の悲劇をとおして、女性の貧困を問う渾身のルポルタージュです。
前述の映画「子宮に沈める」はこの事件を題材にしたもので、 映画を見てからこのルポを読もうと決めてました。
当時、衝撃的な事件として大々的に報道され、私たちの記憶にも残っていて、この事件をきっかけに周囲からの通報件数が増えた、という側面もあります。
世間では「残酷な母親」という印象で見られていましたが、この母親もまた子ども時代は虐待の被害者でもありました。
他の事件でもそうですが、加害者である親を断罪しても、児童虐待が持つ構造的な問題は解決しないのです。
ただ、「周囲の理解と支援が必要」と軽率に言ってしまうほど簡単な問題ではない、もわかってはいます。
胸が痛くなります。
