新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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カラタチ:枳殻(昔のSECOM?)

2006-05-13 06:16:51 | 植物観察1日1題
ついこの間まで鋭く青い棘ばかりだったカラタチ:枳殻(ミカン科カラタチ属)が、浅黄色の若葉の間に5弁の花をつけています。
カラタチを有名にしているのは、なんといっても童謡「からたちの花」(詩:北原白秋、曲:山田耕作)でしょう。なにせ、私のような無骨者でも珍しく空で終りまで歌えるくらいですから。
カラタチは、中国原産で生垣やミカン類の台木として各地に植栽されている高さ~3mの落葉低木です。枝は、よく枝分かれして稜角があり、強大で扁平な長1~4cmの鋭い棘が互生します。
カラタチといえばすぐこの棘を思い出すほど立派な棘です。
バラやニセアカシヤの棘は枝の表皮の変形したものと思われているのに対し、カラタチなどかんきつ類の棘はボケやカイドウなどと同じく棘というより枝の変形と見られています。その証でしょうか、カラタチの葉芽や花芽は基部の棘そのものから芽生えています。
カラタチの棘は鋭すぎるのか近年は生垣ではあまり使われないようですが、京都あたりでは東本願寺のその名も「枳殻邸」など、古い建物ではいまなおカラタチの生垣がよく見られます。
花期は4~5月、葉に先立って棘の基部に、径3.5~5cmの花をつけ、秋、径3cmほどの金色で表面が軟毛におおわれた実をつけます。実は芳香がありますが食用には適さず、枳実と呼ばれて薬用にされます。和名は唐橘(からたちばな)の略ですが、ヤブコウジ科のカラタチバナとは無縁です。


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