釈迦が樹下で悟りを開いたという“菩提樹”が、各地の寺院によく植えられていますが、その多くは中国原産の落葉高木で、ボダイジュ(シナノキ科シナノキ属)という名があるものの、釈迦の菩提樹は、正しくはインドボダイジュといわれるクワ科の常緑高木ですから、まったく違う種になります。
気温の低い中国では、本当の菩提樹が育たないため、シナノキ科のボダイジュをお寺に植えたのが日本にも伝わったといいます。ところが、日本のお寺に植えられているのはこの日本種のボダイジュですらなく、ほとんどが仲間のシナノキや西洋シナノキのナツボダイジュやフユボダイジュなどだといいますから混乱します。
京都植物園でシナノキと並んで本当の?日本産ボダイジュが咲いていました。
シナノキ属の植物はほかに類例のない「葉状苞」という変わった苞葉に集散花序をつけます。葉はゆがんだ3角状卵形で、長い柄を持ち、その葉脇に長さ5~10cm、幅約2cmのへら形の葉状苞をだします。花序の柄と苞葉の主脈とは中央部までくっつき、そこから柄が下垂し、先に淡黄色の小花を多数つけます。
秋、実はプロペラ代わりをする葉状苞とともに、舞い落ちて飛んでゆきます。
直径7~8mmの実は数珠を作るのに使われるそうですから、まがい物の菩提樹も仏様にちゃんと関係があるといえます。
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