家の前の土手にヌルデ:白膠木(ウルシ科ウルシ属)の幼木が真っ赤に紅葉しています。
山野に生える落葉小高木で、高さ約5m、葉は奇数羽状複葉で互生し、葉軸に翼があるのが特徴です。小葉は4~6対あり、長さ5~12cmの長楕円形で、裏面には軟毛が密生します。
白粉をかぶる核果は舐めると酸塩味があります。またヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶの五倍子(フシ)はタンニンの含有率が高く薬用や染料に用いられ、かつては鉄漿にも使われました。
幹を傷つけて出る白色の樹液を器具に塗ったことからヌルデの名がついたとされ、吸水しにくい材は器具や護摩木に、樹皮は染料に、果実は蝋の原料に、昔は結構有用な木だったようですが、いまでは顧みられることもなく、真っ赤な紅葉が秋の山を彩るだけの存在となっています。