すべての木が豊作だった去年に比べ、今年はどの木も実が少なく、熊が人里近くに出没するのもわかる気がします。
野山に普通に見られるガマズミ:莢迷(スイカズラ科ガマズミ属)もご多分にもれず不作のようで、去年ガマズミ酒用にと採集した同じ場所に行ってもぱらぱらという感じでがっかりでした。
そのガマズミが滋賀県朽木の森では、枝もたわわにといった感じで真っ赤な実を見事につけています。(実に気をとられて葉の形や照りぐあいなどの確認がおろそかになりましたが、少し高いところに見られるミヤマガマズミかもしれません)
高さ2~4mになる落葉低木で、5~6月白い小さな花が多数集まって咲きます。果実は長さ6mmほどの卵形で、9~10月に赤くなり、はじめは酸っぱいですがやがて完熟すると甘味が加わり野鳥も好んで食べます。子供のときおやつ代わりにこの実を食べた記憶のある人も多いと思います。
ガマズミのズミは染の転訛で、昔赤い果汁で衣類をすり染めしたからといいますし、なじみの多い木だけにヨツズミ、ヨソゾメなど地方名も多いようです。
去年漬け込んだガマズミ酒のことを思い出して床下から取り出し味わってみました。実にきれいな紅色で、ほとんど酸味も失せ、なかなかのものとなっていました。