簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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食べたまま、書いてます。

八十場の霊水(四国遍路の旅)

2014-07-11 | Weblog
 郷照寺から79番札所・高照院まではおよそ6キロ、1時間半ほど、JR予讃線とほ
ぼ併走する県道33号線をただひたすら歩く行程だ。
人口5万人余りを擁する坂出市は、この辺りではさすがに賑やかな町並みを見せ
ている。



 そんな町中を歩いていて「久米通賢街道」と書かれた道路標識が目に留まった。
何だろうと、調べてみると人の名前で、「くめ みちかた」と言い、現在の香川県か
がわ市で生まれた江戸時代の発明家、暦学者、洋学者とあった。



 江戸時代末期、私財を投げ打って坂出における塩田事業を完成させ、地元の偉
人と讃えられる人物で、あの伊能忠敬よりも早く、領内の精密な地図を作り上げ、
忠敬が全国測量でこの地を訪れた折には、案内・接待係として測量に付き添った
と言われている。



 坂出の市役所を過ぎ、1キロほど進んだ先で、県道33号線を離れ、JRの線路を
渡り、少し山際に入った道を緩く上りながら歩く。
 すると町の外れに小さな池があり、それを覆い隠すような鬱蒼とした緑が茂る小
さな森が見えてきた。八十場の霊泉である。



 説明板によると、景行天皇の御世、悪魚の毒に悩む讃留霊皇子とその88人の軍
兵を甦らせた薬水だという。
また、800年の昔、保元の乱により当地に配流された崇徳上皇が、深い怒りと嘆き
恨みを残して崩ぜられた折り、その処置を京都に仰ぎ、検視の返事が戻るまでの
21日間をこの泉に浸し、腐損を防いだという。



 鬱蒼として森厳な気が感じられる森、今その泉の前には茶店が有り、名物の「と
ころてん」が遍路の疲れを癒している。(続)





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