多少息が上がり始めるころ、ようやく石段を登りきると、そこには那智山スカイラ
インに通じる道路の脇に設けられた駐車場があった。
ここからはさらにお土産屋さんなどが建ち並ぶ473段の石段参道が待っていて、
そこから先を見上げれば、木立の隙間から赤い社殿が望まれる。
それを登りつめ、朱塗りの鳥居をくぐると境内へと入り込む。
そこには「熊野速玉大社」「熊野本宮大社」と並ぶ熊野三山の一つ、熊野信仰の中
心地である「熊野那智大社」が鎮座していた。
近頃はパワースポットとして、若い女性の参拝も多いらしく、それを意識してか社務
所では平安衣裳の貸し出しサービスを行っている。
境内や滝を巡って写真を撮るようだ。
鎮守山を背景に鮮やかな朱塗りの社殿は東西横一列に配され華やいだ雰囲気
で、その連なりは壮観で、建物には彫刻を殆ど用いないなど、その配置や形式が
特徴的で「熊野権現造り」と言うらしい。
境内の大クスは、平重盛のお手植えと伝えられていて、樹高27m、幹回り8.5m、
枝は25mも張り出す堂々たる大木で、県の天然記念物に指定されている。
根元は人が入り込めるような空洞になっている。
またここには、古くから熊野の神様のお使いとされる「八咫烏」の伝承が残されて
いて、それは日本のサッカー界とも縁があり、シンボルマークになっている。
神武天皇東征の道案内の後、姿を変え休んでいるとされる「烏石」が境内にあり、
有料で公開されている。(続)
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