簾 満月「バスの助手席」

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旧和中散本舗大角家住宅(東海道歩き旅・近江の国)

2024-03-25 | Weblog
 東海道は六地蔵村から梅木村に入る。
旧家の残る長閑な旧道を、国宝六地蔵から160m程歩いて来た。
すると左手に間口の広い豪華な商家の建物が見えてくる。



 屋根の上部は本瓦葺き、下部は棧瓦葺きの二段構えで、両端には防火
用の卯建壁が上がる重厚な造りである。
江戸時代に「和中散」を売る「ぜさいや」本舗の本家・是齋(ぜさい)
として栄えた、重要文化財の「旧和中散本舗大角家住宅」だ。



 上り下り立場の六地蔵村に続く梅木村は、石部と草津の中間に位置し、
間の宿として栄えていた。
本家は参勤交代の大名達の小休息所となり、茶屋本陣も兼ねていた。



 当時「梅の木和中散」を名乗る店は、近隣に5軒ほどあったと言うが、
その内今に残る一軒が当家である。
そう言えば六地蔵近くでも、「東海道六地蔵村 和中散屋 ぜさい東店
大角重蔵」の家号札を目にしている。



 東海道を行き交う旅人の間では、薬は腹痛や歯痛、暑気当りに良く効
くとの評判であった。家康も永原に滞在中腹痛を起こし、典医に勧めら
れこの薬を飲んだところたちどころに治ったと言う。
 この薬の名は、腹の中を和らげると言う意味で家康が名付けたそうだ。
江戸参府のケンペルやシーボルトも買い求めたとの記録が残されている。



 邸宅内部の大きな店の間は、贅を尽くした造りで、玄関や隠居所の欄
間など、江戸時代の豪商の店構えらしく重厚に造られているという。
 又仕事場には、木製の動輪や歯車の付いた製薬用石臼が、昔のままの
姿で保存されているらしい。
内部は春秋に定期公開されているらしく、見学は予約制と書かれていた。(続)







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