簾 満月「バスの助手席」

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八葉の蓮華(四国遍路の旅・高野山編)

2015-12-25 | Weblog
 一般的に高野山と言うが、その名の山は存在しない。
転軸山、弁天岳、摩尼山など1000m級の8つの山に囲まれていることから、
これらの峰々を蓮の花の八枚の花弁に例え「八葉蓮華」と称し、一般的に
は「外八葉」と呼んでいる。



 それらに囲まれた盆地は、東西6キロ南北3キロで、その神聖な地形の地
に空海は真言密教の聖地を開いた。
そこに築かれた大塔を中心とした伽藍が立ち並ぶさまも蓮の八枚の蓮華の
形に例えられ、「内八葉」と呼んだ。これが山上の宗教都市・高野山である。



 その「外八葉」にそれぞれ設けられたのが、高野七口と言われる入り口で
ある。嘗ては慈尊院から、町石道を経て大門口に出るのが表参道であった
が、その後橋本から、学文路を経て不動坂を上る不動坂口が整備されると、
距離の短い事から人々が押し寄せ、特にこのルートは女性に人気があった
と伝えられている。



 現在の高野山は明治の初めに女人禁制が解かれ、その中頃には女性も
居住が認められ、以後、役場や警察、学校や病院などの施設も整備され一
つの町として今日の姿に発展した。 
多くの塔頭が甍を連ねる中、飲食店や土産物屋はもちろんのこと、居酒屋
やバーまである。



 また、山上には所謂観光旅館やホテルは無く、寺の一般向け施設、「宿
坊」と言われるところに泊まることになる。
食事はもちろん精進料理であるが作法は堅苦しいものでもなく、求めれば
酒やビールも飲むことも出来るのでありがたい。

 当然お寺であるから朝の勤行は各宿坊で行われるが、参加はあくまでも
自由である。俗人にとっての宗教都市・高野山は、何とも摩訶不思議な体
験のできる世界でもある。(続)



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