簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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伊勢落 (東海道歩き旅・近江の国)

2024-03-20 | Weblog
 東海道は名神高速道路の高架を潜ると、甲賀市から栗東市に入る。
最初の集落を「伊勢落」と書いて読みもそのものズバリ、「いせおち」
と読み、「生涯学習都市」を宣言したまちだ。



 古代当地には、東海道を下り伊勢へと向かう斎宮の禊場があったとの
伝承があるが、これが地名の謂れでもないらし。
何だか曰くありげな地名だが、その謂れは良く分からないらしく、混沌
としている。



 集落の中程に「栗太八景 伊勢落晴嵐」と書かれた石碑が建っていた。
「梅痩せ柳疎にて柴扉鎖す 簷外は半ば晴れ野草肥ゆ 山色の末分の雲
気は晴れ 一声鳥啼き霧破りて飛ぶ 寛延三年十二月 素月作」と彫ら
れている。 



 これは、栗太八景詩碑の内の一つで、他にも
松島秋月(大橋の慶崇寺)、
金山暮雪(大橋の三輪神社境内)、
上野夜雨(旧東海道筋林)、
砥山夕照(北山の上池)、
赤坂帰樵(小野の赤坂公園)、
手原行人(手原の稲荷神社)、
蓮台寺晩鐘(下鈎蓮台寺跡)がある。



 江戸の中期(1750年頃)、大橋にある慶崇寺の致遠(雅号素月)が、
中国宋代の「瀟湘八景」にならい、七言絶句の漢詩を作り選定した。
水墨山水画で著される自然界の気象や光の変化と、地名とを合体して地
域の光ものの景観を現わすらしいが、残念ながら知識はまるで無い。



 因みに栗東市には、観光スポット「栗東八景」が有る。
青麦の薫風(初夏の大宝神社)、
彼岸の繁華(木洩れ日の新善光寺)、
積日の海道と城跡(日向山と和中散)、
泉面の雪花(東方山安養寺)、
飛翔の羽音(自然観察の森)、
払暁の駒音(栗東トレーニングセンター)、
陽春の風光(県民の森)、
夏清の幽玄(金勝寺と森林浴の森)
で、平成元年に公募で選定した。(続)





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