簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

境川 (東海道歩き旅・遠江の国)

2021-01-01 | Weblog
「人真似に 我も喰わなん 白須賀の さるか馬場の このかしわ餅」



 白須賀宿を後にした旧街道は、緩やかに下る道に転じ、暫く行くと
「夏目甕麿邸跡 加納諸平生誕地」の石碑が有る。
更に古い庚申堂を右に見て、やがて旧国道1号線と合流する。
この辺りが、小さな松の生い茂る「猿ヶ馬場」と呼ばれる原山の地で、
境宿・立場のあったところだ。



 「猿馬場の茶店に柏餅を名物とす」或は、「あずきを包みし餅 裏表
柏葉にて包みたるもの」等と言われ、詩にまで読まれた名物・かしわ餅
が知られた地である。

 一軒ぐらい名物を商う店が残っていれば良いと期待してやってきたが、
今はこれを商う店はどこにも無く、それどころか店らしい店も何もない
寂しいところだ。



 国道1号線に出て、その歩道を300m程行くと農業用水のような小さ
な川を越える。うっかりしていると見落として、そのまま通り過ぎてし
まいそうな程目立たない川だ。

 是が遠江の国と三河の国を隔てる境川で、昔は「板橋八間」と言われ
る橋が架けられていた。
国を分ける川は、どこでも一様に「境川」と呼ばれていたようだ。



 今でもこれが静岡県と愛知県の県境で、川は愛知県が管理をしている。
国道には「愛知県豊橋市」を示す大きな表示板が立ち、歩道脇の草むら
には、県境を示す古びた三角柱が隠れるように埋め込まれている。



 川を越えれば、旧東海道は三河の国へと入っていく。
白須賀から三河国の最初の宿場二川までは、1里17丁(5.8㎞)の道の
りが待っている。暫くは単調な国道の歩道を歩く道である。
(東海道歩き旅・遠江の国 完)



次回から「JR乗り潰し 飯田線195.7㎞ 鈍行列車の旅」が始まります。

ホームページも引き続き、宜しくお願いいたします。

     


にほんブログ村 旅行ブログへにほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 火防の策(東海道歩き旅・遠... | トップ | 渥美半島(JR乗り潰しの旅... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事