京阪本線の瓦ヶ浜駅の横で踏切を越え、旧道を行くと真宗佛光寺派
専光寺がある。山門越に見える大屋根の建物は「鐘楼」らしいが随分
と高い位置に有り立派だ。
開基は寛正6年(1465)正善によるが、ご本尊は阿弥陀如来という。
山門前には厳めしい鉄製のフェンスが立てられていて、山内には入れ
ないようだ。
更に先には同じ宗派の光源寺と寺が続き、瓦ヶ浜駅から200mほどの
ところ、中庄には「縣社 篠津神社」がある。
慶長7(1602)年の建築というこの瓦葺の表門(高麗門)も元はお
城の北大手門だったもので、明治の廃城令によりここに移築された。
重要文化財に指定されている。
街道からは遙か奥に見えている本瓦葺きの門がそれらしい。
これまでの通りでは、卯建が上がるほどの豪商のお店は見られないが、
それでも「通り庇」の下に「格子」を構え、「虫篭窓」を開けた軒の低
い二階屋が幾らか散見された。
なかには「ばったり」や「犬走り」に「駒寄せ」を備えた家もある。
また昔ながらの老舗の商店も多く、旧城下町のメインストリートらしい
趣を見せている。
この辺り東側は、琵琶湖の最南端部に当り、流れ出る瀬田川に向け、
湖の幅が漏斗の様に絞られている場所だ。
当時の旧道は、そんな湖岸に沿うように通されていたのであろうか。
左程広くは無い道が、幾つも直角に曲りながら、その進路を北から徐々
に西に振り抜けて行く。
正面に白壁土蔵の何か、曰くありげな建物が見えた。
そこで街道は鍵の手に曲ると、その右隅に「晴耕雨奇亭跡」が有った。
膳所の名金工師の屋敷があった場所らしい。
更に150m程西進して、中ノ庄駅の手前を右に曲がり北に向かうと、膳
所商店街の通りに入っていく。(続)
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