簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

下津井節 (下津井電鉄廃線跡を歩く)

2018-12-28 | Weblog

 「下津井港はヨー 入りよて 出よてヨー まとも巻きよて まぎりよてヨー♪
 トコハイ トノエ ナノエ ソレソレ♪」



 「まとも巻き」とは舟が追い風を受け、帆を巻き上げる事で、「まぎり」とは
向かい風で、帆が風を斜めに受けて進むことだそうだ。
下津井の港は入るにも出るにも具合が良く、追い風でも向かい風でも不自由しな
いとても良港だと唄う「下津井節」の古里が倉敷市南部に位置する下津井である。



 下津井は古くから「潮待ち・風待ちの湊」として栄えた歴史を持っている。
江戸時代には北前船の寄港地として、又香川県の金毘羅宮とこの地の背後に控
える瑜伽山との両参り参詣道の舟を渡す場としても賑わったと伝えられている。



 湊に舟が出入りし、街道を人々が往来するこの地には古くから遊郭が有った。
「下津井節」の囃子言葉である「トコハイ」とは床を這うことで、「トノエ」と
は馴染客、「ナノエ」とはその相手をするお女郎さんで、元々この歌はお女郎さ
んとその馴染客の床の中の秘め事を唄ったものだと言う。



 多くのお女郎さんが住みつき、艶っぽい話も幾つか残されているらしい。
特に北前船が入港すると船乗りたちの上陸を、今か今かと待ちわびるお女郎さ
んが「まだかな、まだかな」と橋の袂から声を掛けたと言いその橋は何時しか
「まだかな橋」と呼ばれるようになった。



 当時の海岸線は埋め立てられ、今橋の存在を示すものは現地跡付近に僅かに
残された歴史を伝える石柱と、2006年8月に発表された演歌歌手・中村美津子が
歌う「下津井・お滝・まだかな橋」位である。(続)



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