簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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宿場町と本陣 (井原鉄道沿線の旅)

2018-10-24 | Weblog



 駅前から続く通りが旧山陽道なのか、訝りつつ銀行の角を右折する。
するとそこには人や車の往来も無く、静かで落ち着いた屋並みの低い、雰囲気
の良い通りが現れた。近代的な建物の中に伝統的な商家造りの建物が混在する、
紛れもなく旧山陽道宿場町の景観を彷彿させる通りである。



 黒瓦葺き切妻屋根を持つ平入の中二階建ての建物も多く、漆喰で塗り込めた
なまこ壁に格子を嵌め込んだ窓、二階に虫籠窓の残る家もある。
多くの宿場町の屋並みが統一されているように、この地は平入が多いように見
受けられる。



 宿場の中心は、駅から600mほどのところで、歩いても10分とはかからない
距離である。
そこは現在の川北・川南地域で、1700年代の両地域の家数は300軒余り、人口
は2000人程と言うから、現在と違い大家族の家が多かったことが窺える。
宿場には広島県下ではここだけと言う本陣が残されている。



 川北には東本陣が、川南には西本陣が設けられていた。
何れも代々酒造業を営んでいて、西本陣を務めた本家筋の尾道屋菅波家は神辺
奉行を務めた家柄で、今日大部分の本陣施設が残されている。
ただ本業の酒造施設や、東本陣の分家筋にあたる本荘屋菅波家などは明治期に
解体され消滅している。



 黒塗りの土塀に囲まれた西本陣は、部屋数が27、200畳を誇り、70名ほど収容
できたという。土蔵も六棟残されている。
今でも内部に電線や電灯もなく、およそ250年前の姿を伝えていると言う。
西本陣は川辺本陣として県の重要文化財に指定されていて、土日祝日には内部が
公開されている。(続)



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