簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

粋な計らい(四国遍路)

2012-06-01 | Weblog
 お大師様は、粋な計らいをされたものだ。

 仁淀川の上流域、愛媛県の久万高原にある第44番札所・大宝寺は、四国八十八
か所の内の半分であることから“中札所”とされているが、歩き遍路には総歩行距離
の三分の二ほどを歩き終えた位置関係にもある。

 ずいぶんと重ねてきたのに、まだ札所の数は半分か・・・、歩きももう残り三分の一
ほどになったのか・・・などと、様々な思いを描きながらの道のりではあるが、それは
途方もなく遠くて厳しい。



 足摺を目指す金剛福寺道は87キロ、室戸を目指す最御崎寺道の85キロに対して、宇
和町にある明石寺から続く大宝寺道は71キロで、その長さはそれらに次ぐものである。



 高知県を代表する二つの岬を目指すその遍路道の多くが、比較的平坦な海岸沿いの
道を歩くのに比して、大宝寺道は幾つもの峠を上り下りしながら厳しい山岳道を行くので、
四国の遍路道の中でも昔から第一の難所と恐れられている。



 卯之町の街並みを見て鳥坂峠や札掛峠を越え、明治の街並みの残る大洲の町に入り、
穏やかな市街地を歩き、趣のある内子の町中からその先で道は次第に山間地へと入り
込み、幾つもの峠を越え、平均標高800m“四国の軽井沢”と言われる久万高原へと至る
道は、距離以上にその起伏の厳しさから歩き遍路を悩ましてきた。



 「半分も、三分の二も・・」その実感を乏しくするほどに、そう簡単には物事が進まない
よう、お大師様は何かと試練を与えて下さっているようだ。(続)


    写真満載 ホームページ
   『表紙の写真』を更新しました
      ここをクリック  

   にほんブログ村 旅行ブログ 遍路・巡礼へにほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする