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Life of a man of poetry

2010-07-02 | bookshelf
 家に『伊勢物語』の原文と現代語訳の両方が載っている文庫本があったので読んでいる。『伊勢物語』は歌物語だから本来なら「和歌」を原文で味わうべきなのだろうが、風流人でない私は邪道の翻訳版で読む。 
 『伊勢物語』は平安時代初期の貴族で六歌仙の一人、在原業平(ありわらのなりひら:825-880年)の一代記と言われている。タイトルは、『伊勢物語』を高く評価していた紫式部が『源氏物語』の中で使ったところからきている。

 『好色一代男』の世之介と違って、美男貴公子のプレイボーイと名高い業平だが...  
   「かきつばたの歌」を詠んだ八橋の無量寿寺にある在原業平像
 どうであろうか?後世に作られたから似てるかどうかわからんね。
 業平もまた「ふらふら」とあちこち遠くへ出かけている。何の目的なのか詳しく書いてないが、女目当てではなく、都へいられない事情があったみたいだ(歴史的事実)。そこで惚れたり惚れられたり…で歌を詠んで贈り合う。江戸時代に整備された東海道の宿場は、平安時代にもちゃんと存在していて、
 ら衣つつなれにしましあればるばるきぬるびをしぞ思う
と関東へ行く途中の愛知県知立市(東海道40番目宿場・地鯉鮒)の杜若(かきつばた)で有名な八橋(やつはし)で詠まされた歌を記念して、無量寿寺には業平像が建っている。

 邪道な私が「業平」で思い出すのは、昔の少女漫画なんである。
 普通の女子高生とモテモテ・ハンサムな彼氏の学園ラヴ・コメディで、その彼氏の名前が「業平」だったのだ。当時私は「業平」が在原業平から来ていることなど知りもせず、古風な名前だな~なんて思いながらもそのギャグ漫画は凄く面白く(今の漫画からみればたわいもないギャグなんだろうが、暗さのない分今より笑えるだろう)、事実その漫画家の出世作にもなり、現在は少女漫画界でもトップクラスの漫画家になっている。少女漫画ファンはお判りのように・・・
 漫画の業平はハンサムだけど、優しくて爽やかな好青年だったな。



コメント
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