<金屋の石仏>
右が釈迦、左が弥勒。細い線で浮き彫りにされています。
三輪山の南麓、日本最古といわれる山の辺の道を大神神社に向かう途中に、鉄筋の収蔵庫に納められてた「金屋の石仏」があります。
「山の辺の道」の横に、あります。
収蔵庫前の立看板には・・・・
『この中におさめられた2体の石仏は、右が釈迦、左が弥勒と推定されています。
高さ2.2メートル、幅約80センチの2枚の粘板岩に浮き彫りされたこの仏像は、古くは貞観(じょうかん)時代、新しくても鎌倉時代のものとされ、重要文化財の指定を受けています。
右側の赤茶色の石は石棺の蓋であろうと思われます。』
と、案内されていました。
格子の隙間から覗き見ることができます。
厚さ約20cmの岩に柔らかな線で浮き彫りにされています。
昔、見たときよりも線が薄くなっているように思えたが・・・・。
ただ、説明文にある収蔵庫内にあるべき「赤茶色の石棺の蓋」は室内に無く、収蔵庫の床下に2個、寝かせてありました。見るからに石棺の蓋です。
この石仏、かの棟方志功画伯も「いいな」、「いいな」といたく感動されたそうです。
<石位寺の石仏>
国道165号と166号の分岐から1.5km東南にある桜井市忍阪(おっさか)。
石位寺は集落の東の高台にある小さな寺だが、現存する日本最古の三尊石仏(重要文化財)を安置している。
高円山・石位寺。
この三尊石仏は白鳳時代のもので、高さ115cm、幅150cm、厚さ約20cmのほぼ正三角形の砂岩に彫られ、薄っすらと朱色が付いている。
いつも扉が閉まっている。観る時は、市役所に申込みが必要なのです。
写真で見ても美しいが、実物はさらにすばらしい。造られた時は、鮮明に色が付いた綺麗なものだったのだろう。
この石仏は「万葉集」の中の女流歌人、また中大兄皇子(天智天皇)と大海人皇子(天武天皇)の両方の妃であった額田王(ぬかたのおおきみ)が造らせたものらしい。
晩年の川端康成氏がこの寺に来て石仏を一見し、『ほのぼのとした暖かいものがある、美少女といった感じでもあろうか』と言われたそうです。
ゴミ箱(!)のような所に置かれてありました。
今は何もかもきちんと整備されて、尋ねるのも
分かりやすくなりましたね。
古代を知る少ない物証ですものね、大事に保存されていて安心しました。