邦画ブラボー

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「痴人の愛」京マチ子版

2011年02月06日 | ★愛!の映画
見てきましたよ~~!
急いで朝ご飯を食べると
電車に飛び乗り
「文豪と女優とエロスの風景」
神保町シアターへ!!
  
初日の目玉は
京マッチャン
宇野、じゅうきっつあんのバトル、
大・谷崎原作の
「痴人の愛」だ~~~!
 
京マチ子のナオミは誰が見ても納得でしょうが
譲二をあの宇野重吉が?
と興味津々でしたが・・・
 
さて内容*****
 
会社では堅物で通っている譲二が
仕事が終わるや否や、
同僚の誘いを断って
いそいそと家に帰るのには
ワケがあったのです。
それは
美しいナオミが
あらわな格好で
ぶらぶら待っているからなのでした!!
 
「ナオミ~~!」「ナオミちゃ~~ん!」
 
まるで猫か犬を呼ぶように
瀟洒な家の中を探し回る重吉っつあん。
すると、
ど派手な下着姿でナオミ、いやさマッちゃん登場!
歌舞伎ならここで
「待ってました!」と掛け声がかかる場面です。
途端に顔がほころぶ重吉っつあん。
 
「ねえパパぁ~~スクーター買って~~~!」
 
デレデレデレデレ場面が続きます・・・・
そして
その後もずっとデレデレ場面が続き・・・
 
わがまま放題のナオミの行状が続き・・
展開は平板です・・・
 
「お馬さん」シーンが
あっさりしていたのが
まず前兆ではあったのですが
普通の愛欲モノみたいというか
しかも
ラストに妙な「おち」がついていて
あれ?これって「痴人の愛」ですよね?
とあっけにとられた方も大勢だったと思われます・・
 
なんと譲二に追い出されたナオミが
ボロボロの姿で帰ってきたと思ったら 
「なんでもするから許して」
と懇願し自らが「お馬」になって重吉っつあんを
背中に乗せ
「私はクズなんかじゃない!」
と号泣。
 
脚本は監督の木村恵吾ですが
大胆に原作を変えちゃってますね。
時代設定は戦後でしたしね。
 
遊び友達役の森雅之
「人生ではレール に乗らなきゃならないときがくるんだよ」と
ナオミを説得する場面があったり・・
しかし天下の色男の森雅之も
この時すでに38歳!
三井弘次と共に、トウがたち過ぎた不良!
いくらなんでもちょっと無理が・・
 
とはいえ、京マチ子のダイナマイトボディと
ファッションは見ていて楽しかった。
 
スタイリングはなんと中原淳一!だけあって
彼の絵の中から抜け出した
西洋人形のよう!バービーみたいなサングラス、
大きなひまわりツーピース、立てロールの髪型、ミニーちゃんヘアなど
見ていて飽きることがありませんでした。
森雅之のボーダーTシャツ・半パン姿も
見ものでしたよ!
 
見終わって思ったのですが
名優宇野重吉といえども
谷崎世界の
倒錯的な役は無理があったような気がします。
 
ナオミに勉強を教える場面では
厳格な学校の先生みたいで
ぶるぶるするほど怖かったです!!
ラスト、泣いて懇願する
ナオミに「もう言うこときくんだな!」
と言う場面も恐い。
そこには美は無かったように思いました(爆)
 
 
そこへいくと
船越英二は
「盲獣」といい
「痴人の愛」といい、
ほんとにそういうひとかと思うくらいでしたね!
 
1949年 木村恵吾監督
脚本 木村恵吾