邦画ブラボー

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「チロルの挽歌」

2015年11月16日 | ●面白かったTVドラマ

なぜ「赤い橋」にたどり着いたかといいますと、

そもそもの発端は

高倉健主演のテレビドラマ「チロルの挽歌」でした。

 

そこで「挽歌」にひっかかり・・・ 北原ミレイの「石狩挽歌」へ→ 「懺悔の値打ちも無い」

→ 刃物系 → 「かもめ」の歌詞 → 浅川マキ → 「赤い橋」とまあそうなったわけです。

 

「チロルの挽歌」は山田太一脚本の1992年に放送されたドラマで、

北海道芦別市が舞台になっています。

 

健さんには珍しく、女房(大原麗子)に出て行かれた男、という役柄を演じているのが

興味深かった。過疎化した町起こしに奮闘する市長役の

河原崎長一郎が珠玉の演技を見せるかと思えば、

頑固な牧場主役の岡田英次も役者魂を見せてくれる。

ユーモラスで、スパイス的な役割の金子信雄と、

芸達者が揃ったドラマでした。

そして大原麗子と駆け落ちする男がなんと

杉浦直樹なんですから、見る前から期待していました。

山田太一の脚本は、それぞれのキャラをうまく引き出し、

北海道の小さな町を舞台に絶妙に絡み合わせます。

どうなるんだろうと最後まで

ひっぱるところもさすがです。

 

大原麗子が、生涯のベストワンの作品だと自負していたそうなのも

納得。

彼女の役柄は、まるで大原麗子そのもの?のような強い女で、

不倫・駆け落ち(しかも夫の知り合い)・娘も捨て:失踪 したのにも

かかわらず、夫に見つかっても開き直って堂々としています 

「私だって、すみませんばっかりじゃないんだから。私も言いたいこといっぱいあるんだから」

と、「無口で男らしくていい人だけど、女の気持ちがわからない夫」をなじります。

しまいには「(高倉も杉浦も)どっちも好き!うまくやっていけないでしょうか!」

と、

登場人物そろった場所で公然と言い放つではありませんか!

どっちとも別れたくないなんて

普通だったらわがままで身勝手で小悪魔どころか大悪魔です 爆

 

でも

大原麗子に微笑まれると

捨てられた娘でさえもにっこりしてしまうのです。

 

あっけにとられたのは私だけではありますまい。

 

高倉健は、

女房に再び振り向いてもらうため、

自分を変えようと努力します。

泣けます。

 

大原麗子だから成り立つドラマ、

健さんだから納得できる、ドラマだと思いました。

ちょっとファンタジーが

入ってるところも山田太一らしい、作品でした。

 

最後のシーンでは

今まで見たことない

アルプスの青年健さんを見られる貴重な作品です。

日本映画専門チャンネルにて