邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

降旗康男監督の「雪の朝に」

2013年06月16日 | ●面白かったTVドラマ

やっとPCが回復しました~~

バックアップをとっていなかった数か月分のデータ吹っ飛んだけど,

何事も諦めが肝心・・・

気を取り直して

作品いってみましょう!

 

高倉健とのタッグで知られる降旗康男監督には

テレビドラマの秀作もあることは意外と知られていないが、

60年代にはあの

「キイハンター」も手がけている。

そのころからの付き合いからか、

このドラマには千葉真一が登場しているんですね。

いしだあゆみ、千葉真一、宇崎竜堂出演の

「雪の朝に」

厳冬の北海道ロケもふんだんに盛り込まれ、見ごたえありました。

 

大病院の外科医千葉真一と、雇われマダムいしだあゆみは

不倫関係にあった。

千葉チャンには

北海道の無医村地区で診療所を守っている女医の妻、

佐藤オリエと息子がいるんですわ。

いしだあゆみの夫・宇崎竜堂は

浮気の相手を刺した罪でムショに入っていたが、とうとう出てきちゃうんですねこれが。

 

千葉真一 いしだあゆみ 佐藤オリエの三角関係プラス

出所してきた宇崎竜堂、

さらに宇崎のグレた妹が絡み、冬の風景の中で大人の関係はもつれにもつれます。

 

降旗監督は「夜叉」といい「駅・ステーション」といい

風土とドラマのマッチングがすばらしいですね。

北海道の厳しい自然に男女の愛憎がくっきり浮かび上がります。

いしだあゆみは一番乗ってるころで憂いがあって美しい。

佐藤オリエは夫を愛するどっしりとした正妻ぶりでさすがの貫禄だし

千葉ちゃんもまったく医者には

見えないながらも(爆)

セレブな雰囲気を漂わせた、優柔不断なロマンスグレーを好演しています。

これ千葉真一じゃなくてもよかったような気もしないでもありませんが

めったにこういう役をやらないので貴重!

 

そしてダメンズ= だめな男を演じたら右に出るものは無い 宇崎竜堂が

「あーあーソレ、やっちゃいけないでしょ」

ということを全部やっちゃって

期待を裏切らないダメぶりです。

ダメンズといえば

「夜叉」:田中裕子のヒモ・ビートたけし、

「駅・ステーション」:倍賞千恵子の男で指名手配犯の室田日出男

そしてこの宇崎は三大降旗ダメンズと呼びたい。

 

 ラストのたたみ込みといい、後味といい

よくある三角関係で終わらせないのがさすがです。

 

「雪の朝に」!何が起こったのでしょうか?

 

やるせなさが漂う大人のドラマ。

映画にも出来たような

重みを持った佳作でした。脚本は「座頭市」などの中村努。

 

日本映画専門チャンネルにて

1987年 テレビドラマ。