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邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

祇園の姉妹

2012年02月01日 | ★人生色々な映画

溝口健二の1936年の作品。

依田義賢脚本

勝気な妹山田五十鈴と

古風な姉、梅村蓉子の対比が

面白いが

ただそこに

山田五十鈴がいるだけですごい存在感。

 

その身のこなしと絶妙な間、

流暢な台詞についついひきこまれてしまった。

 

白黒で描かれる

戦前の祇園の風情が素晴らしく

当時の香りが画面から

匂いたつような貴重なフィルム。

 

うっとり・・・

 

溝口監督って

田中絹代に言わせると「ユーモアが無い」だそうだけど

私はそうは思わない。

「赤線地帯」もそうだったけど

ここでも全編にわたって

なんともいえぬグッドセンスの

ユーモアが漂っており

そこがとても好きだ!

 

山田五十鈴のプロフェッショナルな

男扱いに

新藤英太郎が

見事ころっとだまされて

ミイラ取りがミイラになってしまうシーンなど

大笑いだった!

さらに、家に帰って古女房にとっちめられる場面も!!

 

祇園で生き抜く姉妹の

対照的な生き様を描いて

とても味わいが深い。

通行人の服装やら

鼻歌などから当時の風俗がくっきり浮かび上がってきて・・・

 

日本って独自の文化を持った美しい国だったのね~と

溝口作品を見るといつもそう思う。

 

もうこんな映画は二度と作れない、

こんな日本や日本人は

二度と帰ってこないと思うと寂しくなる。

せめてこのような素敵な映画の中で偲びましょう!!