邦画ブラボー

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「女の歴史」

2009年12月21日 | ★人生色々な映画
成瀬巳喜男監督 高峰秀子主演、
題名ずばりの女一代記もの。

しっかり者の信子(高峰)は夫(宝田明)を戦争で亡くし、
女手ひとつで姑(賀原夏子)、ひとり息子を養っていた。

構成が面白い。
回想形式で筋が展開し、時間が交錯していくのだ。

この時代の女性の多くがそうだったように
信子の運命も散々だ。

空襲で肉親(藤原釜足・菅井きん)が
一夜にして死んでしまったり
信じていた夫に実は裏切られていたのを
戦死した後知ったり
必死に育てた息子(山崎努)は
好きな女(星由里子)と暮らすからとあっさり家を出て行ったり、

やってられな~~い!

くらいに踏んだり蹴ったり。

真面目な性格ゆえに
好意を寄せる男性(仲代達矢)の元へも飛び込んでいけない。
もちろん生活力のない姑を見捨てることも出来ない女性なのである。

面白いのは、
真正直な信子と、
いい加減だけどどこか憎めない姑(よく言えばプラス思考)の対照。
この姑の夫も、好きなことをした挙句芸者と心中してしまったのだが。

脚本は笠原良三。

男はジタバタした後
すぐ死んでしまい
女性は子を育てたくましく生きていく。

女は強い。
人生は皮肉だらけだ~~~!
何がいいか悪いか最後までわからない~~~~!

やってられないけどやっていくしかな~~い!

というようなメッセージを受け取りました。

このように妙味溢れる一代記を堪能できるのも大人の特権。

他に淡路恵子 加東大介、草笛光子、中北千枝子など豪華。

監督 成瀬巳喜男
脚本 笠原良三
撮影   安本淳
音楽  斎藤一郎
美術  中古智

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