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こだわり人物伝「松本清張」1

2009年11月07日 | ★TV番組
小説家の阿刀田高が清張文学を分析。
高峰三枝子主演の「点と線」の映像を
使っているのが嬉しかった。
有名な作品とはいえ、犯人ばらしたり
トリックばらしたりのネタバレ大会だった。

面白かった指摘:

●根っからの悪人じゃなくて
普通の人が止むに止まれず犯罪を犯すが
悪人になるからにはやはり異常な部分が
あって、そこを丹念に書いた
********

どこか「ずれ」みたいなものがある人間を
書ききる清張さんはすごいと思う・・・・・・・・・・・

●同じ舞台ということで
「天城超え」と川端康成の「伊豆の踊り子」を比べ
『伊豆・・』は将来を約束された学生が貧しい踊り子に恋をする、
社会的に上の立場の人間が踊り子を恋する話だった。
清張はそれを好まなかったのではないか。
 「天城・・」は社会的に同じような境遇の人間が触れ合う物語だったとして
清張はあくまでも普通の庶民の視点から小説を書いたと分析。
*****

確かに比べれてみれば
「伊豆の踊り子」は上から目線の恋愛だった。
がしかし天城・・を書いた時、
果たして清張さんの頭にあの話が頭をよぎったでしょうか?
上から目線の「伊豆・・」に対して
下から目線恋愛の代表作では鴎外の「雁」があったが、
今だと『伊豆の踊り子』も「雁」も格差だとか差別だとか言われるのだろうか??と妄想が広がっていった。
久々に田中裕子の艶姿。

庶民の視点というより、虐げられた弱者の視点と思う。

●清張は読者が読書から何を求めているかということを熟知していた
:仕事から帰り、二三時間本を読むにはとにかく筋が面白くなくてはいけない。
少年の頃から働きづめだった清張自身が身に沁みていたのでは?
*****

納得。気取った「文学」ではなく、
面白くなければ小説じゃない が清張小説だったのだ。

次回は みうらじゅん !?が清張を語る

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