変わるか変わらないかはあなたの自由です。

2005年09月26日 | メンタル・ヘルス

 自信のない状態から自信のある状態へ、元気のない状態から元気な状態へ変わるというのは、パーソナリティ(一般的な心理学用語)あるいはアイデンティティ(エリクソンの用語)あるいはライフスタイル(アドラーの用語)の大きな変化です。

 自信・元気がないのよりあるほうがいいと思うのですが、自信を獲得する方法をお伝えすると、かなり多くの方が、「できない、やりたくない」、「変われない、変わりたくない」という反応をされます。

 そういう反応をしたくなる気持ちは、とてもよくわかります。

 これまでの自分のスタイル-アイデンティティを変えるというのは、とても大変なことですからね。

 ですから、方法を学んだ上で、やらない・変わらないという結論を出すとしても、当然ながらそれはご本人の自由だと思います。

 私は、みなさんによくいうのですが、「強くお勧めはしますが、決して強制はしません」。もちろん、したくてもできませんしね。

 私は、心のあり方しだいで、ほとんどの人が今よりは幸福、かなり気が楽、いくらかでも耐えやすくなると考えていて、できるだけたくさんの人にそうなって欲しいという、頼まれもしない余計なお世話の心がありますので、とても残念でならないのですが、人間には心のあり方を変えないまま・不幸なままでいる権利もあるようです。それは、認めざるをえません。

 しかし、でも、けれど……です。そういう方に会った時、ちゃんとお気持ちをうかがった後で、いつもこんなふうに質問させていただきます。

 「お気持ちは、ご本人ほどわかるとはいいませんが、私なりによくわかる気がしますが……あえて聞きますけど、ずっと不幸なままでいたいですか?」

 「そんなわけないでしょう!」と怒りで反応される方も含め、私が接したかぎりではすべての方が、「いたくありません」、「なれるものなら、幸福になりたいです」といわれます。

 「では、変わるための方法をやってみませんか?」とお勧めすると、「それをやると自分が自分じゃなくなってしまう」といった答えが返ってきたりします。

 「それは、今までのような自分じゃなくなる、という意味ですよね? でも今までのような不幸な自分はいつまでも変わらない、変われない、本当の自分なんでしょうか? 自分って、小さい時から今までいろいろ変わってきたし、これからも変わっていくものなんじゃないでしょうか? それから、自分で変えることのできるものなんじゃないでしょうか?」と、問いながら、一緒に考えていきます。

 「不幸な自分が自分だからといって、不幸なままでいたいですか? それとも、幸せな自分に変わりたいですか? 〈自分〉の中には、不幸という感情を感じている部分だけではなく、不幸な自分を幸福な自分に変えようとする意思や力を持った部分、自分の核のような部分があるんじゃありませんか?」

 気がつくと不思議なことのようでもあり、当たり前のようでもあることですが、ある年齢になると人間には意思的な〈自己〉が出来てきます。

 その意思的な自己は、それまでの自分の状態を冷静に観察し、それを変えようとし、実行する力を持っているのです。

 「自分で自分を変える」というのは、そういうことです。

 私は、みなさんが「自分で自分を変える」ためのお手伝いをすることはできますが、「私があなたを変える」なんてことはできませんし、するつもりもありません。それでは、「洗脳」になりかねませんからね。

 それでも、「変わりたくないんです!」といわれる方がいます。

 「本当に変わりたくない場合は、変わらなくてもいいんです。でも、本当に変わりたくないのなら、なぜ、私の本を読んだり、ここに来られたりしたのでしょう?……もしかするとそれは、変わりたいという気持ちと変わりたくない気持ちがどちらもある、ということなんじゃありませんか?」と、私はお答えします。

 もしそうなら、ご自分の中で、「自分は本当には変わりたい=幸福になりたいのだろうか? それとも変わりたくない=不幸なままでいたいのだろうか?」と、どちらの気持ちがより重いのか、本当にはどうしたいのか、よく自問して、自分の本当の気持ちをはっきりさせて、それに素直になってください。

 「素直になりたくない、なれない!」というのも、もちろん自由です。

 それからもう1つ、こういう疑問もよくあります。

 「そんな簡単なことで変われるんですか?(そんなことでは変わらないんじゃないかと思うので、やりたくない)」。

 お答えは、「やってみてください。飲まない薬は効きませんからね」、「これまで、ちゃんと繰り返しやってくださった方の大多数――アンケート調査では約90%――が、多かれ少なかれ、いい方向に変わった、といってくださってます」。

 その場合、順番が大切です。

 すぐに人を認めよう・愛そうとしなくていいんです。そうしないほうがいいんです。

 それは、ガス欠で走ろうとするようなものです。

 まず、自分で自分をしっかり認めてあげましょう。

 心のエネルギー補給をしっかりやってください。

 「私ってダメなヤツ」とか「私ってイヤなヤツ」といったセルフ・トークを中止して、「私にもそれなりにできることやいいところがある」→「私にはできることやいいところがある」→「私っていいんじゃない?」というふうに、セルフ・トークを変えてみてください。

 それから、これは自分1人ではできないことで、相手が必要ですが、次回、「認め合いのワーク」というのもご紹介します。

 これは、体験した方はみんな口をそろえていうことですが、「とても効きます」、「元気になれます」。ご期待ください。

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4 コメント

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共感します。 (ちこ)
2005-09-26 22:04:36


 確かに今までの自分を変えるのは、勇気も努力もいります。



 でも、落ち込んだり、元気がない状態は、生き生きと生きられませんよね



 気がついた時が、自分を変えるチャンスだと、私も思いました。
以前は (Sho)
2005-09-27 12:57:22
落ち込んでいた自分に、酔っていたようなところもありました。

でも気が付いてみれば、やっぱり元気で幸せになりたいのです。
そうですよね (ぴぴろう)
2005-09-28 01:46:31
自分に対する言い訳は自己防衛なんですね。

でもそうして言い訳する自分に嫌悪を感じるのは、きっと防衛的な自分が嫌だからですね。



この記事を読んで、今日こそは今までできずにいたことをやろう!と思いました。

やってみたら、それによって生じた変化は思っていたより怖くないかも…。



改めて、自分が一歩進むということは、自分でやらなきゃ意味がないのだと実感しました。



今日はこの記事に、先生に、ありがとうございますと言いたいです。
反応に反応 (おかの)
2005-09-29 21:29:02
>ちこさん



 「気がついたときがチャンス」というのは、まったくそうですね。



この気づきというのは、「頭ではわかっている」というのと、ちょっとちがっていて、実際にはなかなかむずかしいですよね。



気づきというのは、何か向こうからやってくるものであるような気がします。



>Shoさん



「落ち込んでいた自分に、酔っていた」というのは、すごく的確な気づきですね。



確かに私たちは、落ち込みという自分にとって決してよくない感情でさえ、「自分の」だということで酔うところがあるようです。こわいことです。



でも、気づけば、必ず抜け出せる!



学んだ方法を、これからも実行していきましょう。



>ぴぴろうさん



感謝に感謝です。



前進の後押しを少しできたようで、とてもうれしいです。



ほんとうにそうですね、自分が一歩進むのは自分でやらなければ意味がない、あるいは自分にしかできないんですね。



そこに、自分が自分であるということの大変さと素晴らしさがあると思います。



一緒に学びを深めていきましょう。



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