人間は宇宙の一部である――アインシュタインの言葉

2010年06月01日 | 生きる意味

 H大とM大では、先週で近代科学とニヒリズムの話が終わり、今週から現代科学のコスモロジーの話です。

 今日、H大で、イントロダクションの話をしました。

 そこで、アインシュタインの相対性理論の、シンプルで美しい数式が、コスモロジーとしてどんな意味を持っているかという話をしました。

 E=mc2(上付き数字がありませんので代用、2乗です)

 これはEつまりエネルギーとmつまり質量×cつまり光速の2乗が等しいということを意味しており、それはさらに物質と運動の速度はエネルギーと互換的であるということを意味しています。

 それはさらにいうと、世界にあるものをつきつめると「すべてはモノ」という結論になったのが近代科学であったの対して、アインシュタイン以後の現代科学ではもっと極限までつきつめると「すべてはエネルギー」しかも「すべては同じ1つの宇宙エネルギー」という結論になるということです。

 エネルギー・レベルで見れば、宇宙のすべては一体なのです。

 ですから、もちろん宇宙と私も一体です。

 あなたと私も一体です。

 近代人の心に染み付いた考え方からすると驚くべきことですが、現代科学のコスモロジーではそうなるのです。

 アインシュタイン自身、次のように言っています。すでに一度引用しましたが、とても重要な言葉なので、ここで改めて紹介したいと思います。


 人間は、私たちが「宇宙」と呼ぶ完全体の一部、すなわち時間と空間を限定された一部である。

 人間は自分自身を、そして自分の思考や感情を、他と切り離されたものとして体験する。

 それは意識のうえで、いわば視覚的錯覚が起こっているからである。

 私たちはこの錯覚という監獄に閉じ込められているせいで、個人的な判断しかできなくなり、周りの少数の人間しか愛せなくなっている。

 この監獄を抜け出し、思いやりの輪を広げ、あらゆる生物と美しいままの自然を包み込んでいくこと、それが私たちに課せられた仕事である。

                              ――アルバート・アインシュタイン



*アインシュタイン・相対性理論の入門書はずいぶんたくさんあるようで、筆者はそのごく一部しか読んでいませんが、以下の2冊は数式の苦手な私にもポイントがつかめるような気がしたいい本です。
 特に上の本は、アインシュタイン自身がはしがきを書いていますから、本人の保証付の入門書だと考えていいでしょう。


相対論はいかにしてつくられたか―アインシュタインの世界 (1968年) (ブルーバックス)
リンカーン・バーネット
講談社

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相対性理論の世界 (ブルーバックス)
ジェ-ムス.アンドリュー・コ-ルマン
講談社

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コメント (2)
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