人生を投げ出さないためのコスモロジー

2009年02月04日 | メンタル・ヘルス

 1年に2度の大仕事、採点がようやく終わり、ほっとしています。

 特にこの後期(秋学期ともいう)は、受講者数がこれまでで一番多い1000人以上で、助手もつかない非常勤の仕事としてはもう限界です。

 4月からの新学期、これ以上増えないことを祈るばかりですが、増えたらどうしましょう?(ま、こればかりは予防志向というわけにいかないので、その時はその時の治療志向で対処することにします。)

 しかし、こんなに毎年増えるというのは、それだけ求めている若者が多いという証拠だと思うのですが、文部科学省以下各教育機関・関係者のみなさん、なんとかしませんか?


 さて、授業の感想をいくつか紹介します(事前の了承を得ています。改行は筆者)。


  高校生くらいから「生きる意味」「私の価値」などについてよく考えていました。しかし、いくら考えても答えが出る日はなく、「無」を感じたことも、「ただ生きているから」とあいまいな答えを出したこともありました。
 そんな時、先生の授業を受けて正直最初はキレイゴトを並べた授業ではないかと思ったこともありました。
 しかし、宗教を否定したり、今の学習のあり方に疑問をなげかけたり、先生の言っていることに上辺だけの言葉は一つもありませんでした。
 そして、宇宙と私は一体だと感じることができた時、今まで私が考えても考えても導き出せなかった答えに少し触れることができた気がしました。
 私は今でも自分が生きている意味を考えます。それは価値を上げたいからでも無情だからでもなく、宇宙に生かされている私は、宇宙が生んでくれた私には、何か少なからず使命があるのではないかと思えるからです。
 先生が初めにおっしゃった「この授業を受けていくと考えが変わる」という言葉通り、まんまとその通りになってしまい少し悔しいですが、また違った方向を見つけられてとてもよかったと思います。ありがとうございました。
                                        (O大1年女子)

 私はこの授業を受けてみて、最初、私は何やっても意味がない。楽しくない。どうでもいいという精神状態になっていました。しかし、先生の授業を毎回聞いていくうちに、世界には意味があり、今自分が考えていたことがバカバカしく感じました。
 変にツッパってみたりすることも遅れていて、ダサイと気づきましたし、この授業を受けていると、少し目の前が明るくなった気がしました。どうもありがとうございました。
                                        (O大2年、男子)

 この講義を初めてとった時、私もどちらかといえば、「何で人って生きているんだろう」と考えている側の人間でした。先生の「この講義の終わりにはきっと生きるのが楽しくなる」と言っていたのを半信半疑で聞いていた。 
 しかし、講義が終わると先生の言う通り、少しずつ自分の人生観が変わっていくのを感じた。先生の講義やブログを読んでいくうちに、先生は口先だけでなく本気で若者を中心とする私達に「生きる意味」を伝えたいということが心から伝わってきた。
 学生のうちにこの講義を聞けてよかったと思う。ありがとうございました。
                                        (O大1年、女子)

 半年間、先生の授業を受けていて驚きの連続でした。先生が宇宙の話をだした時に、どのように話が進むのだろうと考えていたら、「宇宙と私は一体です」とおっしゃって、とても驚きました。
 しかし、よく先生が教えてくださった現代科学のことを考えてみると、確かにその通りであると思いました。それと同時に不思議な気持ちになりました。
 今までは、宇宙と一体だなんて考えたこともなかったですが、宇宙と一体な自分は幸せだなと感じ、暖かい心が持てたような気がします。宇宙137億年の中の20年前から生きているということは、「自分が今、ここにいることには大いなる意味がある」と思って、毎日一生懸命に生きていこうと思いました。
                                        (O大2年女子)

 宇宙ができた時から、今の私までずっとつながっているという考え方は、すごくおもしろいと思った。130億年以上前にできた原子が今の私を作っていると思うと、私も宇宙の一部なのだなあ、と感動した。そして、私の生きる意味も、見つけられたように思う。
 今までの宇宙が選択した結果が私で、要するに、過去が今をつくってきたということだ。過去の宇宙が私の土台を作り、宇宙をもっと高いところに進化させる土台をつくったのだ。
 私の生きる意味は今までの宇宙がつくってくれた土台の上に、未来の宇宙の土台をつくることだと思った。過去が現在の土台であるとともに、現在は、未来の土台なのだ。私の土台をつくってくれた「何か」をうらぎらないためにも、しっかりと生きていきたいと思う。
                                        (O大1年男子)

 どんなに苦しいことがあっても、自分の人生を投げ出さないために、この新たなコスモロジーを指針として生きていくことが望ましい。
                                        (O大1年、女子)



 こんな感想文をもらってしまうと、また来年度も頑張るしかないな、と思います。

まだまだいい文章がたくさんありますので、徐々に紹介させていただきたいと思っています。

 年上の読者のみなさん、ぜひ、「〔自分と分離した他人である〕若者が何か言ってるけど、私には関係‐関心ない」というふうにでなく、「〔広く深いレベルでは自分とつながって一体である宇宙の現われとしてのいのちの〕次の世代が、元気になってきているようだ。よかった」というふうに関心と共感をもって読んでいただけると幸いです。



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コメント (5)
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