2020年最後の読書本は、
小川洋子の『人質の朗読会』でした。
すっかり更新するのを忘れて年を跨いでしまった。
WOWOWでドラマ化されたりして話題になったので
フォーマットも有名なのかもしれませんが。
「普通の人の心の中にある経験(物語)」
の短編が、8人分(プラス1)描かれています。
その8人の設定が特殊でして。
彼らは、遠い国の辺境の地で観光中、突然、
反政府ゲリラに人質として長期的に囚われた人質。
その長い囚われ生活の中で、語り合った物語。
一篇ずつのクオリティも高いのですが、
その背景を踏まえて読むとまた違う凄みを感じます。
以下、年末のメモ。
今年最後にすごい本を読めた。
ちょっと不思議な短編集として仕上げることも可能だけれど、
作者はそこで満足しない。
なぜこのような物語を話者が紡いだのか。
そのフォーマットが、また、凄い。
話者に人質としての設定を与え、自分の中を振り向かせる。
残酷な厳しさかもしれないし、救いとなりうる優しさかもしれない。
小川洋子は本当に凄い。
”考えるのは、いつになったら解放されるのかという未来じゃない。
自分の中にしまわれている過去、
未来がどうあろうと決して損なわれない過去だ。
それをそっと取り出し、掌で温め、言葉の舟にのせる。
その舟が立てる水音に耳を澄ませる。”
個人的にはABCクッキーの話(やまびこビスケット)と
冬眠中のやまねが好きだ。
でも死んだおばあさんもB談話室も杖も花束も、みんな好きだ。
小川洋子の『人質の朗読会』でした。
すっかり更新するのを忘れて年を跨いでしまった。
WOWOWでドラマ化されたりして話題になったので
フォーマットも有名なのかもしれませんが。
「普通の人の心の中にある経験(物語)」
の短編が、8人分(プラス1)描かれています。
その8人の設定が特殊でして。
彼らは、遠い国の辺境の地で観光中、突然、
反政府ゲリラに人質として長期的に囚われた人質。
その長い囚われ生活の中で、語り合った物語。
一篇ずつのクオリティも高いのですが、
その背景を踏まえて読むとまた違う凄みを感じます。
以下、年末のメモ。
今年最後にすごい本を読めた。
ちょっと不思議な短編集として仕上げることも可能だけれど、
作者はそこで満足しない。
なぜこのような物語を話者が紡いだのか。
そのフォーマットが、また、凄い。
話者に人質としての設定を与え、自分の中を振り向かせる。
残酷な厳しさかもしれないし、救いとなりうる優しさかもしれない。
小川洋子は本当に凄い。
”考えるのは、いつになったら解放されるのかという未来じゃない。
自分の中にしまわれている過去、
未来がどうあろうと決して損なわれない過去だ。
それをそっと取り出し、掌で温め、言葉の舟にのせる。
その舟が立てる水音に耳を澄ませる。”
個人的にはABCクッキーの話(やまびこビスケット)と
冬眠中のやまねが好きだ。
でも死んだおばあさんもB談話室も杖も花束も、みんな好きだ。
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