思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

連城三紀彦『変調二人羽織』贅沢なデビュー作

2020-01-27 12:55:16 | 日記
レジェンドのデビュー作を含む超初期短編集です。
表題作が探偵小説専門誌『幻影城』の新人賞受賞作。
出版は、こちらよりも『戻り川心中』の方が先だった由。

どうでも良いけど、“探偵小説専門誌”というジャンルが
昔はあったのですね。
なんというか、浪漫とノスタルジーを感じるジャンル名だな。

私はいま短編を読んだのだろうか?
と不思議に思うレベルでひとつずつが濃厚!
プロットが複雑だし表現も凝っています。
さすがのレジェンド!!

表題作に加えて『ある東京の扉』『六花の印』
『メビウスの輪』『依子の日記』の5作を収録。

私は『六花の印』が好きでした。
語りもトリックもすごくよかったけど、読後感として
被害者の心情はほんとのところどうだったのかなって思って、
一層の味わい深さがあります。
文学だわ。
すごいわ。

あとがきは幻影城の元編集長・島崎博氏で、
デビュー当時の話しもおもしろいです。
新人・連城三紀彦特集ってことで
一ヶ月に3作を書かせて一挙掲載したって、あんた。
当時の編集の鬼畜っぷりが垣間見えて
ツッコミを入れたくなります。
(1978年8月号『メビウスの環』『消えた新幹線』『藤の香』)

初版は1981年。
私は、2010年に光文社文庫で再刊行されたものを読みましたが、
なぜか表紙は昭和感が悪い意味で漂うダサさである。
そこは変えてくれていいんだが。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 宇月原 晴明『廃帝綺譚』おも... | トップ | 中島京子『かたづの!』おも... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事