思惟石

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連城三紀彦『戻り川心中』ミステリ文学!

2019-08-07 09:59:53 | 日記
レジェンドと言えば誰を思い浮かべますかね。

世の中に疎い私の頭に浮かぶのは、
キングカズと、スキーのジャンプの人かなあ。
野球とか格闘技とかにも居そうですよね。
何も調べずに思いつきで書いてますが。

で。
ミステリ界でレジェンドと言えば、連城三紀彦です。

なにしろ、傑作選のタイトルが
『連城三紀彦 レジェンド 傑作ミステリー集』
ですから。編者は、綾辻行人/伊坂幸太郎/小野不由美/米澤穂信
錚々たる顔ぶれが集っていることからもわかるように、
作家の間にもファンというか、影響を受けた人が多いと言います。

そんなレジェンドの作品、何気に読んだことがなかった…。

というわけで代表作と言われる初期短編集
『戻り川心中』を読みました。

美文!!!

ミステリとしての緊張感や爽快感もあるけど、
とにかく、文学です!!!

連城三紀彦は短編の名手とも言われているようですが、
これはすごい。
短編とは思えぬ、読後の満腹感。

『戻り川心中』は、
花がモチーフとなるミステリ短編<花葬シリーズ>を収録した一冊。
舞台は大正末期から昭和初期、場末の花街が多いですかね。

表題作で日本推理作家協会賞を受賞(1981)。

どれもこれも、短編ミステリとしても良いけど、
とにかく抒情的というか、文学だなあ。
ステキなのである。

解説でもわかりやすく書かれていますが、
ハウダニット/フーダニットではなく、
ホワイダニットの魅力でミステリ且つ人間ドラマとして、
ものすごいハイクオリティの読後感を与えてくれます。

凄いなあと思う。

この作者がミステリー界のレジェンドと呼ばれるのが
よくわかる一冊です。

蛇足ですが、
表題作『戻り川心中』はあらすじで
大正歌壇の寵児・苑田岳葉の心中事件…
と書かれており、実在の人?とか思うかもしれませんが
作者がつくった架空の人物だそうです。

折原武夫『日本歌壇史』から経歴を引用、とか、
村上秋峯に師事、とか、出てくる人名がそれっぽいんですよね。

折原武夫…、字面が絶妙に折口信夫
(民俗学者であり歌人でもある、実在人物)ぽくないですか?
そういう人、居た気がするなあ、なんて思いながら読んでました。

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