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熊谷達也『氷結の森』森シリーズ三作目

2018-05-12 22:20:16 | 日記
熊谷達也の”森シリーズ”三作目である
『氷結の森』を読みました。

個人的には、『邂逅の森』
(第17回山本周五郎賞、第131回直木賞ダブル受賞)
に続く、熊谷達也作品の、二作目の読書です。

”森シリーズ”または”マタギシリーズ”と銘打っている
マタギをテーマにした三部作ってことは知っていました。

しかしこれ、三部作の三作目であったようです……。

あれ?
また読む順番間違えちゃったかな?

そうです。
そもそもの熊谷作品入門書であり代表作である
『邂逅の森』が、森シリーズ二作目なのである。
誰か先に教えて〜。

森シリーズは
『相克の森』
『邂逅の森』(山本周五郎賞、直木賞)
『氷結の森』
という順番らしいのです。

未読の方は要チェック!
と言いつつ、実は、順番はそんなに影響無いです。
個人的な感想では、やはり、作品の魅力として
一位の『邂逅の森』から熊谷作品に触れたら良いと思います。

三部作という売り文句に惑わされるな!!

応援したいのかディスりたいのか、謎なテンションですが。
応援しております。

で、『氷結の森』ですね。

おもしろかった。
と言いつつ、
『邂逅の森』がずば抜けてるので、
どうしても辛口の採点になりがちです。

(主人公が無双すぎ!)

とはいえ日露戦争直後の樺太の政治情勢や
樺太での一般市民の暮らし、ギリヤーク、ニブヒ、
ロシアの赤白、ニコラエフスクとその悲劇……
歴史の勉強だけではなかなか深く学べない
当時の人、風俗、時代や社会が、細やかに骨太に描かれていて
なんとういか、逆に、自分は物知らずで申し訳ない!
と思うくらいに勉強させられます。

尼港事件についても、私はまったく知りませんでした。
もっと現代において議論されていも良いと思うのだけど。

小説としては、ちょっと矢一郎がハードボイルドすぎな気はしますが、
とはいえ読んどくと良いと思える為になる小説でもありました。

まあ、森シリーズの完結編、というような繋がりはないけどな。
良作である。



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