思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

『名画で読み解く ハプスブルク家12の物語』中野京子

2022-02-22 10:38:27 | 日記
まず最初に講談社現代新書の
『ハプスブルク帝国』岩崎周一
を読むわけです。

あ〜〜〜新書って苦手!!!!

と思いながら、がんばって読む。

ハプスブルク家の歴史が、
スペインやオーストリア、ハンガリー、チェコ周辺の
歴史とともに描かれています。
18世期の「啓蒙主義」なんぞは、
そういう本ではないので大した説明無しで突然ぶっこまれます。
急に流行った!!なにそれ!!??ヨーゼフ!!
(コテンラジオのおかげでちょっとだけわかった)

情緒も解説も無く、ファクト(というか聴き慣れない固有名詞)が
続くので、めちゃくちゃに読みづらい。
まあ、それが新書というものですが。

つらい。
つらいけど、読了します。

で、満を辞して
『名画で読み解く ハプスブルク家12の物語』中野京子
を読むわけです。

はわあ〜〜〜〜〜〜おもしろいっ!!!!!

やっぱり中野さんの文章は読みやすいしおもしろい〜
と、有り難く読むわけです。

とはいえ、それぞれのエピソードは、ハプスブルク家の点描なのです。
それだけで楽しんでいても良いのだけれど。
やはり、背後に流れる「歴史の線」みたいなものは、
文句を言いながらも新書で読んだからこそ感じられるもので。
併読すると本当に勉強になります。
点と線!

スペイン王フェリペ2世も、アルチンボルドでおなじみ皇帝ルドルフ2世も、
それぞれ知っていたけれど
どちらもハプスブルク家だったのかあ、と
改めて学びました。

(フェリペ2世は、コテンラジオでの語られ方と比べるのも、
おもしろかった(エリザベス1世の回))

(レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』の舞台は1589年秋のプラハ。
ルドルフ2世の治世下ですね)

マリア・テレジアの宿敵フリードリヒ2世(大王)も印象的だった。
プロイセンの2代目。
父親が過激で、目の前で親友を殺されるというエピソード、
高校の世界史で聞いたのを覚えてるなあ…。

収録絵画は以下。

デューラー『マクシミリアン一世』
プラディーリャ『狂女フアナ』
ティツィアーノ『カール五世騎馬像』
ティツィアーノ『軍服姿のフェリペ皇太子』
エル・グレコ『オルガス伯の埋葬』
ベラスケス『ラス・メニーナス』
アルチンボルド『ウェルトゥムヌスとしてのルドルフ二世』
メンツェル『フリードリヒ大王のフルート・コンサート』
ヴィジェ=ルブラン『マリー・アントワネットと子どもたち』
ローレンス『ローマ王(ライヒシュタット公)』
ヴィンターハルター『エリザベート皇后』
マネ『マクシミリアンの処刑』

新書も、つらいつらいと文句ばっかりだったものの、
意外と数日で読了はできたんですよね。
他の小説や本を読む際に、歴史の流れの中での事象や人物として
俯瞰できるようになるのは、やはりありがたい。
新書って、役に立つんだな…。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【読書メモ】2015年12月 ③ ... | トップ | 『コルシア書店の仲間たち』... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事