思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

ボーヴ『きみのいもうと』ダメ男ふたたび

2018-03-24 09:38:57 | 日記
エマニュエル・ボーヴ『きみのいもうと』です。

『ぼくのともだち』の続編とも言えるような内容。
主人公の名前は違いますけど、
『ぼくのともだち』に続いて出版された作者の第二作で、
まあ、主人公のやることなすこと、
お前、アルマンって名前変えてるけど、バトンだろ!
とつっこみたくなるくらいの地続き感。

今回も訳者(もちろん前作同様の渋谷豊氏である)のあとがきが
ふるっています。
数年前にフランスで刊行された『ボーヴ作品集』についての言及、

そこには、ありとあらゆるタイプの<甲斐性なし>が出揃っていて、
まさに<手にするだけで気が滅入る>という稀有な一冊になっている。


って、あんた本当にボーヴを広める気はあるのか笑
あるんだろうな。
ある種の愛が溢れるコメントである。

当初の原稿では主人公の名前が「マルセル」だったのだけど、
出版元の編集長の名前も「マルセル」で、
彼が主人公の改名をしないと出版したくないと言ったのも
まったくもってうなずけます。

というくらいダメ男のアルマン(いや、バトンに違いない)が
相変わらずダメダメ生活を送ってますが、
前作ほどお笑い要素はなかったです。
とはいえ相変わらずくそまじめに「ダメ男」思考を
滔々と述べていて、つっこみどころ満載。

そして相変わらず貧乏描写が容赦なくうまい。細かい。

ダメ男メイカーの作者作品のなかでも、
『ぼくのともだち』と『きみのいもうと』の2冊が
特に評価が高いようです。

私は『ぼくのともだち』の方がイチオシです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中島京子『平成大家族』これ... | トップ | アイザック・アシモフ『鋼鉄... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事