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『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』 560ページ瞬殺である

2024-05-01 11:47:29 | 日記
『ゴールデンカムイ 絵から学ぶアイヌ文化』
中川裕

作者の中川先生は、漫画版『ゴールデンカムイ』の
アイヌ語監修者。
アイヌキャラの名前(色んな由来がこめられている)や
アイヌのセリフ(呪術的なものが多い)を考えていたそうです。

「消滅危機言語」というものがありますが、
(話者が少なすぎてそのまま暗号に使われた
 ナヴァホコードなんかが有名ですが)
アイヌ語は「極めて深刻」と言われる言語。
中川先生曰く、アイヌ内でも方言による地域差があるので
「これが正解!」と言いづらいのも難しいところらしい。

漫画『ゴールデンカムイ』の中で
アシリパさん等が使っているアイヌ語も
“小樽近郊にある架空のコタン(村)”の方言
という設定だそうです。

勝手に「これがアイヌ語(正解の!)か〜、ほげ〜」と思って
勝手に享受していた裏で、多大な苦労と学術的葛藤があったようで
なんとなく正座してしまった。

正座しつつも、『ゴールデンカムイ』舞台裏の楽しさと、
アイヌ文化の奥深さが同時に味わえて、すごく面白い。

なにしろ、集英社文庫なのである。
原作『ゴールデンカムイ』が挿絵として大量に挿入されているのである。
これはね、すごいですよ。ありがたいですよ。
図として超絶リッチだし、説明の解像度も爆上がりです。
世界中の教科書がこの解像度になればいいのに。

さらなる少数民族ニヴフ、ウイルタ、ロシア系に関する
コラムも挿入されていて、勉強になります。
キロランケはタタール系の血が入ってるんですね。
そりゃ、馬に乗るのがうまいはずですわ。

中川先生の一冊目『アイヌ文化で読み解くゴールデンカムイ』は
260ページの新書らしい新書ですが。
こちらの2冊目ね、560ページあるんです。
新書らしからぬ厚さ!キョーゴクか!!

でもまあ、瞬殺だったね。おもしろくて。
(あと挿画も多いので)

惜しむらくは、この厚みをサクッと読み切る自信があったので
一冊目をスルーしてこちらだけ買ったこと…。
やっぱり両方欲しいし読みたい!
もう一回本屋行ってくる!

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