思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

『ゾウの時間ネズミの時間: サイズの生物学』

2024-05-02 15:09:35 | 日記
『ゾウの時間ネズミの時間: サイズの生物学』
本川達雄

この本、流行りましたよね〜。
そろそろ読んでおこうっと。
という軽い気持ちで読みました。

あれ?めちゃくちゃ本格的で難しい話しが多いぞ…。
特に数式とか、がちんこじゃないか。
そんなサラッと「3/4乗に比例する」と言われても!
グラフを思い描けないです…。

というわけで、私は冒頭を脳天気に楽しく読みました。
2章以降は、数式は読み飛ばしました。
(たまに読解しようと試みて挫折して涙しました)

それはそれとして。
やはり話題になるキャッチーな内容なのです。

まず有名な「哺乳類は一生の間に心臓が20億回打つ」ですね。
興奮しすぎて鼓動が早くなりすぎると早死にするんか、みたいなね。
流行りましたね。
個体差の話しではないので、いわゆる視点のすり替えである。

そのベースとなる式がこちら。
生物の時間は体重の1/4乗に比例する。

グラフは描けないけれど(描ける人もいる)、
体重が16倍になると時間は2倍になる。
体重がめっちゃ重くなると、時間もゆるやかに長くなる、
と考えれば良い。

同様に、
標準代謝量は体重の3/4乗に比例する。

これをアロメトリー式(わからん)であれこれやって
動物の走るコスト、飛ぶコスト、泳ぐコストが算出されます。
飛ぶ鳥は、飛ばない時の代謝量の4〜10倍のエネルギーを食う。
そりゃあれだけ骨も軽量化するわ。
(大型の鳥ほど気流に乗って運動コストを下げる)

哺乳類は、走るコストは平時の2〜3倍。
まさかの哺乳類が泳ぐ際に増えるコストはたった2%程度。
だからイルカやアシカは無駄にくるくるしながらよく泳ぐ。
あれ、めっちゃ低コストだからなんだな。
泳ぐのやめたら死ぬとか言われてるカツオたちが可哀想。
(魚が泳ぐコストは平時の約2倍)

まったく式やら計算やらはわからんけど、
その結果をおもしろがることはできる。
ありがたいことです。

車輪動物がいない理由というのもおもしろかった。
命題だけ見ると、「ほんとだ!いない理由がわからん!」となるし、
論を読み終わると、「ほんとだ!存在するわけねえ!」となる。
先生の文章がうまいのか、私の読書スキルが高すぎるのか。
(壺を売ります系の新書だけは読まないように心がけている)

まあ、一応、私は理系の学部卒なはずですが、
こんな感じです。
こんな感じでも、読書は楽しめるのです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ゴールデンカムイ 絵から学... | トップ | 『茶の世界史』 『砂糖の世... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事