素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

会者定離

2023年05月06日 | 日記
 外でのイベントでは天気の善し悪しが鍵を握る。妻が会長をしている枚方山草会でもこのゴールデンウィーク中に、2つの行事を企画していた。4月28日(金)に鶴見緑地公園の咲くやこの花館で開催されていた大阪山草会「春の山野草展」観覧と5月3日(水)の滋賀方面への日帰り観察会である。いずれも好天に恵まれ楽しむことができた。とこの週末の下り坂の天気予報を見ながら妻は幸運を喜んでいた。

 ところが、私が2階の部屋に用事で行っている間に、山草会のSさんから山草会を退会したいとのメールが入ったみたいで、下りてくるとハッピーモードが一転していた。Sさんは種から育てた苗を会員の人たちに分けてくれたり、例会の時に栽培のコツを講習するなど頼りになる人だった。また、春と夏の展示会で、自分の作品にプラス中央を飾る大鉢を3点提供してくれていて、展示会の会場をグッと華やかなものにするのに欠かせないものだった。

 山草会の大黒柱であるSさんからの退会したいとの申し出は、妻にとって青天の霹靂であった。慰留に努めたが健康上の理由であるため無理に引き止めることは出来なかったみたいだ。

 そのやり取りを傍で聞いていて【会者定離】(えしゃじょうり)という言葉が頭に浮かんできた。「この世で出会った者は、必ず別れ別れになる運命にある」という、この世の無常を説いた言葉だ。「会うは別れの始め」というのは頭で分かっていてもその場に出くわすと複雑な思いに囚われる。

 英語にも
We never meet without a parting.(別れのない出会いは無い)
The best of friends must part.(一番の親友とでも必ず別れはおとずれる)とある。

 それをどうとらえ、生きて行くかということがとても大切ではないかと思う。「全てが虚しい」と虚無主義に陥るのではなく、だからこそ出会いともに過ごす(過ごした)時間を大切にしなければという「一期一会」の心を持って生きたいと私は思っている。
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