大槻ケンヂはマジックマッシュルームとUFOの夢を見るか

2015年01月23日 | 音楽
 「君たちには夢があるか~!!!」
 
 
 白鳳学園創立30周年記念公演で、後輩たちにそう檄を飛ばしたのは社会評論家で、竜牙会創設メンバーでもある大友健三郎氏である。
 
 今の若者はを失っている。
 
 というのは、昨今語られることの多い命題である。
 
 長い不況や、年金問題など国や役人に対する不信感によって、若人たちが希望を持てない世の中になっている。
 
 それはいかんではないか。これからの日本を担うべき彼ら彼女らが意気消沈していては、それこそお先がまっ暗である。
 
 そこで今回は不肖この私が、熱くについて語ってみたい。テーマは
 
 
 「UFOには夢があるか」
 
 
 若かりしころの大槻ケンヂさんは、心の病に苦しんでいた。
 
 オーケンといえばロックバンド筋肉少女帯のボーカルであり、またエッセイ小説の世界でも才能を発揮している才人。
 
 私も昔からファンであり、特に名作の誉れ高い『グミチョコレートパイン』は、全国の「オレってダメだな~」とボンヤリと悩んでる若者の必読書なんである。
 
 そんな才気あふれるオーケンだが、彼の経歴を語る上ではずせないのが、まずバンドブームの熱狂。
 
 それと「心の病」であろう。
 
 「表現者としての衝動」にかられ、バンドを組んだ若き日のオーケンは、「バンドブーム」の波に乗って、幸運にも世に出ることができた。
 
 だが、好事魔多しで、「売らんかな」主義の音楽業界とソリが合わず、苦悩の日々が続く。
 
 
 「ロックだなんだいったって、毎日CD売るため、やりたくもない仕事してペコペコ頭下げる日々」
 
 「やっていることは、中小企業の社長と同じようなもんだ」
 
 
 当時のエッセイを読んでいると、そんなグチで埋め尽くされており、華やかなように見えてバンドマンというのも、なかなか大変そうな商売らしいことがうかがえる。
 
 そんなこんなで煮詰まってきたオーケンは、それを打破するためにタイへ旅行することに。
 
 ここにひとつたくらみがあり、イケナイことではあるが、当時のオーケンは常々
 
 
 「ドラッグやってみてーなー」
 
 
 これはいい機会と、タイの島でマジックマッシュルームに挑戦することに。
 
 もちろんオーケンは、ふだんからキメキメなロケンロールな人ではなく、好奇心にかられての軽い遊びのはずだった。
 
 が、どっこいこれが、とんでもないことになるのである。
 
 なんでもマジックマッシュルームというのは、うまくトリップできれば、この世のものとは思えない至福の時間を過ごせるらしいのだが、悪くすると、いわゆる「バッドトリップ」になるとか。
 
 これはマンガ家鈴木みそさんも体験記を書いておられたが、一度これにハマってしまうと、それはもう苦しいというか、大げさではなく、
 
 
 「この世の生き地獄」
 
 
 を味わうというのだ。
 
 オーケンも最初こそ、のんきに楽しい気分を味わっていたのだが、途中から急激にバッドトリップに移行し、悶絶することに。
 
 10時間以上のたうちまわり(このあたりは、みそさんも似たような体験をされている)、その体験のトラウマが日々の過度なストレスと合わさって、なんとパニック障害鬱病をわずらってしまう。
 
 まさかの大副作用に、このままではの危険もあると心療内科医に向かうことになるのだが、ちょっとした好奇心のつもりが、とんでもないことになってしまった。
 
 当時のオーケンは
 
 
 「自分は大病を患っていてもうすぐ死ぬのだ」
 
 
 という脅迫的妄想に襲われ
 
 
 「自殺すら考えた」
 
 
 というほどに追いつめられる。
 
 そんなシャレにならないシチュエーションで、医者の先生と病についてディスカッションを行うのだが、これが我々の想像を超えた、とんでもないシロモノだったのである。
 
 
 (続く
 
 
 
 

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